NTTドコモは2021年10月6日に「kikitoデバイスガイド」の提供を発表。スマートフォン周辺のデバイスの利用を拡大することで、5Gを活用した新しいサービスの利用を広げようとしている。その狙いはユーザーに受け入れられるだろうか。
スマートフォンよりパソコンが注目されたドコモの新製品
NTTドコモは2021年10月6日、2021年冬から2022年春までの商戦期に向けた新商品に関する記者説明会を開催し、スマートフォン8機種を発表した。だがそのラインアップを見ると、先進的なデバイスを求める人たちにとっては面白みに欠ける内容だったというのが正直なところである。
理由の1つは、「Galaxy Z Fold3 5G」など注目を集めるハイエンドモデルが全て発表済みのものだったこと。そしてもう1つは、純粋な新機種として発表されたのが「らくらくスマートフォン F-52B」「あんしんスマホ KY-51B」など、シニア向けを狙ったものだったことだ。
このうちKY-51Bは京セラ製で、NTTドコモが初めて販売する京セラ製スマートフォンというサプライズもあったのだが、ターゲット層がかなり限定されており、どちらかといえば3Gの巻き取りを強く意識したラインアップということもあって関心を引き付けにくかったとみられる。
その一方で、先進的なデバイスを求める人たちの関心を集めたのが、5Gに対応したノートパソコンの取り扱い開始である。今回NTTドコモが販売を発表したのは中国の聯想集団(レノボ)製の「ThinkPad X1 Nano」で、既に販売されているモデルではあるのだが、端末購入プログラム「いつでもカエドキプログラム」の対象となり、分割払いの途中でデバイスを返却すれば安価に利用できる点が注目を集めたようだ。
米Apple(アップル)のiPhoneが登場してから十数年来、スマートフォンがデバイスの先端技術をけん引してきただけに、スマートフォンよりもパソコンが先進ユーザーを引き付けたというのは意外な印象もある。一方でこの出来事はある意味、5G時代にはスマートフォンだけが通信サービスをけん引する存在ではなくなりつつあることを示したともいえる。