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 海外で注目を浴びる「ダークストア」を活用した宅配サービスが日本にも進出するなど、生活系オンラインサービスを提供する事業者が独自の物流網構築に力を入れる動きが活発になっている。リアルな商品を扱う物流事業はオンラインサービスのような効率化が難しいだけに、各社はどのような工夫でコスト効率と利便性を高めようとしているのか。最近の動向を追った。

海外で注目の「ダークストア」が日本にも

 新型コロナウイルス感染者の減少傾向が続いていることから、街中にも人が増えるなど徐々に日常が戻りつつあるようだ。だがコロナ禍の影響で長らく外出がしづらい状況が続いたことから、利用が広まったサービスも多くある。

 その代表例といえるのが生活に密接したオンラインサービスだ。コロナ禍による巣籠もり需要でeコマースやフードデリバリーなどの利用が急拡大したことは多くの人が知るところだろう。今後コロナ禍が収まってくればその需要もある程度減ってくるだろうが、既に多くの人がその利便性を体験しているだけに大きく需要が減るとは考えにくく、今後も成長が続く可能性が高い。

 だがそうしたサービスは、映像配信やゲームなどのようにオンラインだけで完結するものではなく、リアルで商品をやり取りするための物流が必要になってくる。しかもオンラインのスピード感と配送効率、そして消費者に対する利便性を高める上でも、フードデリバリー事業者がギグワーカーの起用で物流網を構築したように、従来とは異なる形態の物流網が必要になってくる。

 その1つとして、ここ最近注目されているのが「ダークストア」である。これはオンラインサービスの配送専用店舗のことを指し、店舗の中に商品は並んでいるが、消費者が直接買えるわけではない。このダークストアを活用し、オンラインで注文を受けた商品を近隣のエリアに短時間で配送するサービスが、ここ最近海外で急拡大しているのだ。

 その流れを受け、日本でもダークストアに類するサービスを提供する事業者が現れ始めている。2021年7月にはフードデリバリー「foodpanda(フードパンダ)」を手掛ける独Delivery Hero(デリバリーヒーロー)が、ダークストアを活用した「pandamart」を兵庫県神戸市で開始。その後提供エリアを広げ2021年11月2日には東京でもpandamartを開始している。またOniGO(オニゴー)というスタートアップ企業も、2021年8月よりダークストアを活用した宅配スーパーサービスを東京で開始している。

「foodpanda」を手掛けるデリバリーヒーローは2021年7月より、ダークストアを活用した「pandamart」を展開。2021年11月2日には東京でのサービスも開始している
「foodpanda」を手掛けるデリバリーヒーローは2021年7月より、ダークストアを活用した「pandamart」を展開。2021年11月2日には東京でのサービスも開始している
(出所:デリバリーヒーロー)
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