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 NTTドコモと医療系ベンチャーのメドレーは2021年12月7日、オンライン診療・服薬指導アプリ「CLINICS(クリニクス)」の共同運営を開始すると発表した。日本でのオンライン診療は、制度面での非常に厳しい規制が普及を妨げてきたという課題があったが、両社の発表からは患者側にも普及を妨げる要因がある状況が見えてくる。

コロナ禍でオンライン診療に力を入れる企業が急増

 ビデオ通話などを通じて医師が患者を診察する「オンライン診療」は、従来初診が認められていなかったり、診察できる疾患が大幅に制限されていたりするなど、非常に厳しい規制が敷かれていた。そのため日本ではほとんど普及が進んでおらず、かねて諸外国と比べ大きく遅れていることが指摘されていた。

 だがコロナ禍の影響により、2020年4月より従来認められていなかったオンライン診療での初診が特例措置で可能になるなど、急速に規制緩和が進むこととなった。そうした流れを受け、インターネットに関わる事業者がオンライン診療に力を入れるケースはここ最近増えているようだ。

 実際2020年12月には、LINE社が医療情報サイトなどを扱うエムスリーと合弁でオンライン診療サービス「LINEドクター」を開始。また2021年5月には、KDDIがオンライン診療サービスを提供するMICIN(マイシン)との協業により、健康支援アプリ「auウェルネス」からシームレスに利用できるオンライン診療サービス「curon for KDDI」の提供を開始した。さらに2021年9月にはMICINおよびホワイトヘルスケアと連携し、服薬指導サービスを追加するに至っている。

KDDIも「auウェルネス」を軸にオンライン診療サービスを強化、2021年9月には服薬指導も追加し、オンライン診療から服薬指導まで一気通貫で提供できる体制を整えている
KDDIも「auウェルネス」を軸にオンライン診療サービスを強化、2021年9月には服薬指導も追加し、オンライン診療から服薬指導まで一気通貫で提供できる体制を整えている
(出所:KDDI)
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 そしてもう1つ、オンライン診療に関してここ最近大きな動きを見せているのがNTTドコモだ。同社は成長事業に位置付けるスマートライフ領域の強化に向け、メディカルを金融やコンテンツに続く新たな柱とみている。

 実際同社は2021年4月26日に、オンライン診療・服薬指導サービスなどを手掛けるベンチャー企業のメドレーと資本業務提携したのに加え、2021年10月22日にはメドレーと共同で、市販薬のインターネット販売を手掛けるミナカラを買収。メドレーを軸としてオンライン診療に関連するサービスを強化しようとしている様子を見て取ることができる。