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 2022年3月4日、ソニーグループと本田技研工業(ホンダ)がモビリティー分野で戦略提携し、高付加価値の電気自動車(EV)を共同で開発・販売すると発表したことが大きな話題となった。ソニーグループ以外にも、ここ最近スマートフォンに関連する企業がEVに力を入れる動きが急加速している。なぜだろうか。

ソニーグループとホンダがEVで提携

 2022年1月に米国・ラスベガスで開催された「CES 2022」に合わせてEV事業への本格参入を打ち出し、大きな驚きをもたらしたソニーグループ。そのソニーグループがEV事業に関して、2022年3月4日に新たな取り組みを発表し、再び大きな驚きをもたらしている。

ソニーグループは2021年1月5日、「CES 2022」でEVの市場参入本格検討を発表。それに合わせる形で、会場ではEVの試作車両「VISION-S 02」なども展示していたようだ
ソニーグループは2021年1月5日、「CES 2022」でEVの市場参入本格検討を発表。それに合わせる形で、会場ではEVの試作車両「VISION-S 02」なども展示していたようだ
(出所:ソニーグループ)
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 それは国内自動車大手のホンダと、モビリティー分野で戦略的提携をすると打ち出したことだ。その発表内容によると、今後両社で合弁会社を設立、その新会社を通じてEVを共同開発し、モビリティー向けサービスの提供と合わせて事業化する意向を確認したとのことだ。

 なお新会社の設立は2022年中を目指すとしており、新会社が開発するEVの初期モデル販売は2025年とされている。新会社では車両の企画から設計、開発、販売をする一方、製造はホンダの工場が担い、モビリティー向けサービスプラットフォームはソニーが開発して新会社に提供する形になるという。

 一連の提携における両社の目的は明確だろう。ソニーグループは自ら強みを持つイメージセンサーをはじめとして、新しいモビリティーを実現する上で求められる多くのデジタル関連技術、そしてエンタテインメント関連の技術やサービスに強みを持つ。だがEV参入を打ち出したとはいえ自動車の開発や製造に関する実績はない。

 一方のホンダは自動車メーカーであり、実際に多くのEVの開発や製造、販売も手掛けるなどモビリティーに関する実績は豊富だ。だが今後広まるであろう新しいモビリティーを実現するためのデジタルに関する技術はあまり持ち合わせていないことから、将来に備えパートナーを必要としていたといえる。

 それゆえ今回の提携は共に不足していたパーツを埋め、EVを軸に新しいモビリティーを実現するための提携といえる。両社が設立する新会社でどのようなEVが開発されるのか、現時点では分からない部分も多いが、両社の相性は悪くないと感じられ、今後の展開に期待したいところだ。