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相次ぐスマートフォン関連企業のEV事業強化

 ここ最近、スマートフォンに関する動向を追っていると、ソニーグループに限らずスマートフォンに関連する企業のいくつかが、EV事業の強化に乗り出すケースが増えているように感じている。

 中でも象徴的な動きとなったのは中国のスマートフォン大手、小米(シャオミ)のEV参入である。同社は2021年9月1日にEVの事業化に向け子会社の「Xiaomi EV」を設立、10年間で100億ドル(約1兆1480億円)を投資して本格的なEVの開発を進めるとしている。

シャオミは2021年9月1日に、EVの事業化に向け子会社の「Xiaomi EV」を設立、今後積極的な投資によりEV開発を進める方針だという
シャオミは2021年9月1日に、EVの事業化に向け子会社の「Xiaomi EV」を設立、今後積極的な投資によりEV開発を進める方針だという
(出所:シャオミ)
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 直接的なEVへの参入に限らなければ、EV関連事業強化の動きはさらに多くの企業から出てきている。例えば米Qualcomm(クアルコム)はソニーグループ同様、CES 2022の開催に合わせて自動車のデジタル化を推し進めるプラットフォーム「Snapdragon Digital Chassis」の強化を打ち出し、ホンダやアルプスアルパインなどとの提携を相次いで発表した。クアルコムはこのほか、新たに自動運転車のカメラを制御する「Snapdragon Ride Vision System」も発表、自動運転の実現を見据えた取り組みもアピールしていた。

 また、そのクアルコムがCPU設計に活用している英Arm(アーム)も、EV関連の取り組みを強化している様子がうかがえる。実際、2022年2月8日にアームの親会社であるソフトバンクグループは、決算説明会で米NVIDIA(エヌビディア)へのアーム売却を断念すると同時に、アームの再上場に向けた準備を進めることを明らかにしたが、そこで現在アームが注力している領域として挙げられたのがデータセンター、そしてEVである。

 アームのCPU設計は消費電力を抑えながら高い演算能力を実現する点に特徴があることから、それをEVに取り込むことでシステム全体での消費電力を抑え、同じバッテリー容量でも長距離走行ができるという。そうしたことからEV関連でもアームのCPU設計の採用事例が増えており、成長が見込めることから注力するに至ったようだ。

アームは高性能ながら低消費電力というCPU設計の特徴を生かし、スマートフォンだけでなくデータセンター、そしてEV向けのライセンス提供を強化しているという
アームは高性能ながら低消費電力というCPU設計の特徴を生かし、スマートフォンだけでなくデータセンター、そしてEV向けのライセンス提供を強化しているという
(出所:ソフトバンクグループ)
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