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 米Google(グーグル)は米国時間の2022年5月11日に開発者イベント「Google I/O」を開催した。様々な技術やサービス、ハードウエアに関する取り組みを発表したが、サプライズとなったのはAndroidを搭載した自社製タブレット「Pixel Tablet」を復活させたことだ。なぜグーグルは、一度撤退したタブレットに再び力を入れるのだろうか。

「Google I/O」のサプライズとなったタブレット再投入

 グーグルの開発者イベントであるGoogle I/Oは、コロナ禍でオンラインのみでの開催が続いていたが、2022年はその影響が落ち着いてきたこともあり、再びリアルでの開催に戻った。

 久しぶりのリアル開催ということもあって、今回のGoogle I/Oでは技術からサービス、ハードウエアに至るまでかなり多岐にわたる発表があった。その中でも大きな注目を集めたのは、やはりハードウエアであろう。

 具体的にはスマートフォン「Pixel 6」の廉価モデル「Pixel 6a」やワイヤレスイヤホンの「Pixel Buds Pro」の発売、次世代ハイエンドモデル「Pixel 7」シリーズの予告などが打ち出されている。だがそれらよりも一層注目されたのは、姿を消していたグーグル製ハードウエアがいくつか復活したことだ。

 1つはスマートウオッチの「Pixel Watch」。だがこちらは2021年のGoogle I/Oで、韓国Samsung Electronics(サムスン電子)と提携して新しい「Wear OS」の提供を打ち出していたことから、ある意味投入を予想できた製品ともいえる。だがもう1つの製品投入は、かなり意外なものだった。それはAndroidタブレットの「Pixel Tablet」を2023年に投入することである。

グーグルが「Google I/O」で発表したハードウエア新製品群。右上に一部姿を見せているのが再参入となるAndroidタブレット「Pixel Tablet」だ
グーグルが「Google I/O」で発表したハードウエア新製品群。右上に一部姿を見せているのが再参入となるAndroidタブレット「Pixel Tablet」だ
(出所:グーグル)
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 というのもグーグルは2018年にChrome OS搭載の「Pixel Slate」を投入して以降、タブレット型デバイスを提供しておらず、2019年にはタブレットの開発から正式に撤退したと表明している。そのことを受けてかAndroidもタブレット向けの対応が縮小し、Androidタブレット自体が市場での存在感を急速に失ってしまった。