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 AR(拡張現実)関連のゲームやプラットフォームなどを手掛ける米Niantic(ナイアンティック)は2022年6月24日、東京で開発者向けカンファレンス「Lightship Summit Tokyo 2022」を開催、その中で同社は「VPS」(Visual Positioning System/Service)の拡大に向け注力する姿勢を示した。それは同社の競争環境を大きく変えることにもつながってくるように思える。

日本でも開発者イベントを開催、WebARの取り組みもアピール

 「Pokémon GO(ポケモン GO)」などの人気ARゲームを開発したナイアンティックは、現在それらARゲームで培った技術をプラットフォーム化している。ARアプリを開発しやすくする「Niantic Lightship AR Developer Kit(Lightship ARDK)」を開発者に提供し、ARアプリやコンテンツの拡大に力を入れている。

 そうしたことからナイアンティックは開発者に対するLightship ARDKへの関心を高めてもらうべく、開発者向けイベント「Lightship Summit」を開催している。このイベントは2022年5月に米国で実施されたが、日本でもARに関する開発者の関心が高いこともあって、2022年6月24日には東京でも「Lightship Summit Tokyo 2022」を開催するに至っている。

 そのキーノートでは、同社が現在力を入れているいくつかの取り組みについて説明があった。その1つはWebブラウザー上でARコンテンツを利用できる技術「WebAR」に向けた取り組みであり、それを担っているのが「8th Wall」である。

 これは同名の企業である米8th Wall(エイスウォール)が展開するWebARの開発プラットフォームであり、専用のアプリをインストールせずにWebブラウザーのみでカジュアルにARコンテンツを体験できることから、既に多くの企業が8th Wallを様々なプロモーションなどに活用しているという。

 WebARがAR体験の敷居を下げるのに大きな役割を果たすとナイアンティックは判断したようで、2022年3月には8th Wall社を買収。今後8th Wallの基盤を活用してARコンテンツやサービスを開発する敷居を下げていきたいとしており、8th Wallの利用料金を円建てで決済できるようにするなど日本の開発者にも利用しやすい環境整備を進めているとのことだ。

ナイアンティックは買収した8th Wallの基盤を活用し、WebARでより手軽にARを体験できる環境整備にも力を入れているという。写真は2022年6月24日の「Lightship Summit Tokyo 2022」より(筆者撮影)
ナイアンティックは買収した8th Wallの基盤を活用し、WebARでより手軽にARを体験できる環境整備にも力を入れているという。写真は2022年6月24日の「Lightship Summit Tokyo 2022」より(筆者撮影)
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