NTTドコモは2022年9月1日から、東京・銀座の「アートアクアリウム美術館GINZA」でメタバースとNFT(Non-Fungible Token、非代替性トークン)を活用したオンラインとオフラインとの融合によるマーケティングを実施。メタバース空間内で同施設の世界観を体験してもらうのに加え、先着300名に限定のNFTをプレゼントして情報提供、再来訪などを促すマーケティング施策を展開するという内容だ。なぜマーケティングにメタバースとNFTを活用するのだろうか。
美術館の世界観をメタバース空間でも体験
メタバース、そしてNFTなどブロックチェーンを活用した「Web3」に関する技術へ関心の高まっていることで、それらを活用したイベントが開かれる機会も増えている。その1つとしてNTTドコモが新たに実施したのが、東京・銀座にあるアートアクアリウム美術館GINZAにおける施策である。
アートアクアリウム美術館GINZAは、アートやエンターテインメントと、金魚に特化したアクアリウムを融合させた美術館である。今回のイベントでは同施設の一部スペースに、アートアクアリウム美術館GINZAの世界観を表現したメタバースの体験コーナーを設置。メタバース空間内でもアートアクアリウム美術館GINZAの世界観を体験できるものになる。
メタバース空間内ではタッチパネルの操作によってアバターを動かして歩き回るだけでなく、指示に従って泳ぎ回る金魚を誘導するなどゲーム的な要素も盛り込まれている。それらの指示を制限時間内にクリアするとアンケートの画面が現れ、回答すると画面上にQRコードが表示される。
そのQRコードを手持ちのスマートフォンで読み込み、HARTi社が提供するNFTのウォレットアプリ「HARTi」をダウンロードすると、先着300名に金魚のイラストのNFTデータが無償でプレゼントされる。しかもこのNFTデータを持っている人には、後日アートアクアリウム美術館GINZAから特別な案内が届くようになるという。
この施策はオンラインとオフラインを融合し、施設を訪れた人と接点を作って後から案内を送って再来訪を促すOMO(Online Merges with Offline)としての要素が強い。そこにメタバースやNFTといった新しい技術を取り入れていることがポイントだが、OMOにそれらの技術を導入することで、NTTドコモは何を実現しようとしているのだろうか。