ソースネクストから分社化したポケトーク社は2022年10月12日、英語を70の言語に翻訳し、字幕に加え音声で通訳もする「ポケトーク同時通訳」を今冬に提供すると発表した。AI技術の活用によって自然言語処理は急速に進化しているが、言語の壁を越えたコミュニケーションが実現される日は来るのだろうか。
新サービス「ポケトーク同時通訳」を発表
ここ最近のAI技術の発展によって急速に進化し、利便性が高まっているサービスはいくつか存在するが、その代表例の1つが自然言語処理に関連するものだろう。
最近の例として2022年10月6日に発表された米Google(グーグル)のスマートフォン「Pixel 7」シリーズを挙げると、AI関連処理を高速化する独自プロセッサー「Google Tensor G2」を搭載して自然言語処理を強化。日本語をはじめいくつかの言語の文字起こしに対応しているボイスレコーダーアプリは、今後のアップデートで話者を認識しての文字起こしが可能になるという。
それに加えてPixel 7シリーズは、再生中の動画の字幕を表示してくれる機能や、「Googleアシスタント」を介して自分が話した内容を翻訳する機能なども用意。高度なAI技術を生かした自然言語処理によって、精度の高い文字起こしや翻訳など、従来難しいとされていた機能を相次いで実現しているのには驚かされる。
そうした自然言語処理を活用したサービスに関して最近、もう1つ大きな動きを見せたのがポケトーク社である。ポケトーク社は自動翻訳機「ポケトーク」のヒットによってパソコンソフト販売大手のソースネクストから分離した企業である。そのポケトーク社が2022年10月12日、新たに発表したのが「ポケトーク同時通訳」というサービスである。
これは同社のパソコン向けサービス「ポケトーク字幕」をアップデートして提供されるもの。ポケトーク字幕は自分が話した言葉を翻訳、その内容をカメラ映像に字幕として合成表示する。ポケトーク同時通訳はさらに、相手が話した言葉を翻訳して字幕で表示し、さらに音声でも通訳してくれるという。対象となるのは当初英語のみで、それを日本語を含む70の言語に通訳するとのことだ。