Zホールディングスは2023年2月2日、同社とその傘下にあるヤフー、LINE社の3社を中心に合併すると発表。それに伴い社長が1人に絞られ、LINE社の慎ジュンホ氏が代表権を持つなど人事でも大きな動きを見せている。その背景と今後を考えてみたい。
CEO2人体制から出澤氏のCEO1人体制に
「Yahoo! Japan」を運営するヤフーや「LINE」を運営するLINE社を傘下に持つZホールディングス。2023年1月に、「LINE LIVE」と「GYAO!」を同年3月に終了させ「LINE VOOM」に注力するなど、映像配信サービスの大幅な戦略転換を打ち出したばかりだが、2023年2月2日には同社全体の戦略に大きく影響する発表をした。
それはZホールディングスとヤフー、LINE社の3社合併である。現在のZホールディングスは、2021年3月にソフトバンク傘下のZホールディングスと韓国NAVER(ネイバー)傘下のLINE社が経営統合し、Zホールディングスの傘下にヤフーとLINE社が収まる形で統合が進められたものだが、今回の発表ではさらに、その3社を一体化する方針のようだ。
今回発表したのは3社合併を決めたことのみで、どのような形で合併を進めるのかは現時点で明らかにされていない。それゆえ見えていない部分も少なからずあるのだが、発表内容から分かることがある。
それは今回の経営統合に当たり、2023年4月1日をもってZホールディングスの代表取締役社長Co-CEO(共同最高経営責任者)を務めている川邊健太郎氏が代表取締役会長になること。さらに、代表取締役Co-CEOである出澤剛氏は代表取締役社長CEOとなり、新たに取締役GCPOの慎ジュンホ氏が代表取締役GCPOとなり代表権を持つことだ。
川邊氏は経営統合前のZホールディングス出身だが、出澤氏と慎氏は経営統合前のLINE社の出身だ。そうしたことから一連の人事によって、3社合併後は現在のヤフーよりもLINE社の存在感が強まるものと考えられる。