僕は米アップル(Apple)の「13インチMacBook Pro」を愛用している。これまで使っていたのは2018年のモデルである。全体的に気に入っていたが、唯一許せないのがストロークが浅く打ちづらいキーボードだった。個人的に、このストロークで打ちやすいはずがなく、大変に疲れるという印象を受けていた。
そんななか2020年5月に、13インチMacBook Proの新モデルが発売された。キーボードが「Magic Keyboard」に変わったという。新しくなったキーボードを使いたく、発売後すぐに買い替えた。今回はこの新モデルをレビューする。
キーボードは間違いなく打ちやすいが……
最初にひとこと述べておくと、僕は13インチMacBook Proについて次のリニューアルで「14インチMacBook Pro」になってほしいと期待していた。だが13インチモデルとしてリリースされた点に、少しがっかりしている。
さて、13インチMacBook Proの新モデルに搭載されたMagic Keyboardは、1ミリ程度のストロークになっている。2018年モデルのバタフライ構造のキーボードは0.55ミリストロークなのでずいぶん違う。実際にタイピングしてみると、間違いなく打ちやすくなっている。
僕は、キーストロークは深いほうが絶対に打ちやすいと確信している。僕のメインマシンはデスクトップパソコンで、ストロークが2.5ミリ程度のキーボードをつないで使っている。このキーボードで150冊の単行本と数え切れないほどの連載を書いてきたので、そう簡単に浅いキーストロークには慣れない。またプロのキーパンチャーの大半も、深いストロークのキーボードを使っているという。
こうした背景もあって、Magic Keyboardの採用によってキーボードの打ちやすさは間違いなく向上したと感じた。その一方で、新モデルを2018年モデルと並べてみて、アップルがストロークの浅いキーボードを採用した理由もよくわかった。見た目の美しさは、間違いなく旧モデルに軍配が上がるのだ。ただ僕は打ちやすさを取るし、そうなって良かったと思っている。