VAIOがノートPCのフラッグシップモデル「VAIO Z」を発売した。フルモデルチェンジを遂げた新モデルとなる。最近増えている14インチ画面の製品で、VAIOらしい外観を継承している。
今回は上位モデルに当たる「SIGNATURE EDITION」を借りたので詳しくレビューしていこう。借りたモデルの構成は、CPUが米Intel(インテル)のCore i7-11375H、メモリーは32GB、ストレージは256GBのSSDとなっている。ディスプレーは14インチで、解像度は4K(3840×2160)だ。この構成の販売価格は、ソニーストアの場合38万2000円(税別、OSがWindows 10 Homeの場合)となっている。なおSIGNATURE EDITIONはメモリーとストレージの容量、画面解像度、無線WAN通信モジュールの有無などの構成を変えられる。
フルカーボンの本体が最大の魅力
新モデルの最大の特徴は、立体成型したカーボンファイバーをボディーの4面に採用していることだ。これまでもVAIO Zは、ボディーの素材にカーボンファイバーを採用していた。とは言えカーボンを採用していたのは天板の平たんな部分だった。これに対して新モデルは天板、液晶の縁、キーボード面、底面の4面にカーボンファイバーを採用している。
カーボンファイバーは、マグネシウム合金やマグネシウムリチウム合金などに比べると、同じ重量ならはるかに剛性が高くなる。例えばロードバイクも高級モデルはカーボンファイバーのフレームを採用しているし、釣りざおもしかりだ。
ところがカーボンファイバーには、立体的な構造を作るのが難しいという欠点がある。つまり板状や円形なら比較的扱いやすいのだが、ノートPCのボディーのような複雑な構造を作るのは難しい。その領域にあえて踏み込んだのが、VAIO Zの魅力なのだ。
さらにSIGNATURE EDITIONは、全面カーボン柄が見える仕上げになっている。魅力的なデザインだと思う。