米Intel(インテル)の第12世代Coreプロセッサーが登場し、各社から新モデルが続々リリースされている。VAIOからも数モデルが新登場したが、今回は、コンパクトなモバイルノート「VAIO SX12」と、フルサイズの「VAIO S15」をレビューする。レビューした製品はいずれも、シリーズの最上位に位置するモデル。主なスペックは以下の通りだ。
VAIO SX12 ALL BLACK EDITION | ||||
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CPU Core i7-1280P | メモリー32GB | SSD 512GB | 5G内蔵 | 40万6500円(税込み) |
VAIO S15 ALL BLACK EDITION | ||||
CPU Core i9-12900HK | メモリー64GB | SSD 512GB | 4Kディスプレー | 43万6500円(税込み) |
コンパクトで高性能なSX12
VAIO SX12はモバイルノートのど真ん中に位置するコンパクトな製品だ。最近は、14インチのモバイルノートが増えている。確かに使い勝手は良いし、軽さも文句ない。だが、コンパクトさでは12インチクラスにはかなわない。
VAIO SX12は、12.5インチの小さなディスプレーを搭載しており、本体もかなり小さい。気になる重量は、キッチンスケールの実測で930g台だ。最軽量ではないが十分に軽い。
軽量ながら質感はとても良く、また剛性感も文句なしだ。天板は立体成型のカーボンを採用している。下手な金属を超えるたわみの少なさが素晴らしい。丸みを帯びた角の仕上げなどはうっとりとしてしまうほどだ。
残念なのが、画面の縦横比が昔ながらの16対9にとどまること。やはり画面が狭いと感じてしまう。
12インチモデルながら拡張性が高い
VAIO SX12は、この小さなボディーに仕事で使うのに十分な拡張性を備えている。2基搭載するUSB Type-C端子はThunderbolt 4に対応する。さらに、USB Type-Aを2基、HDMI端子と有線LAN端子をそれぞれ1基搭載する。このコンパクトさではあり得ないと言いたくなるほどの数だ。海外のメーカーならUSB Type-CとHDMI端子を搭載するのがせいぜいだろう。このあたりが国産メーカーの真骨頂だ。
付属のACアダプターは65WでUSB Type-C端子に接続する。市販のUSB PD(Power Delivery)対応の充電器も利用できるはずだ。ただしメーカーは保証していない。
カタログ値のバッテリー駆動時間は24.8~26時間と非常に長い。一日中持ち歩いても電池切れになることはまずないだろう。
サイズの割に打ちやすいキーボード
本体が小さいとキーボードが心配になるが、本体のギリギリまで配置しているのでこのサイズとしては十分な領域を確保している。サイズの割には打ちやすいと感じるだろう。もっと余裕がほしいなら、大型の機種である「VAIO SX14」を選ぶべきだ。コンパクトなボディーを選んだ以上、割り切らなければいけない部分もある。タッチパッドも最小クラスの大きさだが、左右のクリックボタンが付いているのは立派だ。
VAIOは古くからディスプレーパネルを開くと本体後部がせり上がる構造を採用している。角度がかなり高くなるので本体サイズの割には打ちやすい。
性能は文句なしで、インテルの12世代CoreプロセッサーであるCore i7-1280Pを搭載。SSDも高速な第4世代を採用した。ただしメモリーはDDR4なので最新規格ではなくちょっと残念だ。