今回取り上げるのは中国Lenovo(レノボ)の「ThinkPad X1 Nano Gen2」だ。ThinkPad X1 Nanoといえば、「ThinkPad史上最軽量のノート」として登場したモデル。13インチ液晶を搭載しながら、900g台前半の軽さが魅力だった(重量は構成によって異なる)。
搭載しているCPUは「Core i7-1180G7」など、米Intel(インテル)の第11世代Coreのなかでも熱設計電力(TDP)を15Wに抑えたモバイル向けだった。性能が低いわけではないが、TDPが28WのCPUより劣る。言ってしまえば「コンパクトでスリムだが性能はほどほど」というモデルだったわけだ。
今回登場したThinkPad X1 Nano Gen2は、TDPが28Wの第12世代CoreのCPUを搭載。本格的なモバイルノートと同等の性能を、軽くて薄いボディーに秘めている。
コンパクトなボディーが魅力
ThinkPad X1 Nano Gen2は、13インチの液晶ディスプレーを搭載する。解像度は2K相当の2160×1350ドットで、縦横比は16対10となる。やや縦に広く仕事に使いやすい。書類やWebページを表示しても無駄が少ないからだ。逆に動画を見ると画面が余ってしまい、上下に黒ふちが生じてしまう。このあたりは用途を考えて判断すべき材料になる。
解像度が2Kと比較的高いのはとてもうれしい。もちろん4Kの方が解像度が高いが、電力消費が増えてしまう。13インチだとさほど画面サイズが大きくないので、2Kで十分に緻密といえる。駆動時間とのバランスも良好だ。
13インチながら狭額縁で、本体はとてもコンパクトだ。14インチで画面の縦横比が16対9の「VAIO Z」と比べると違いが明確になる。
重量は900g台後半で、前機種より約50g重くなったと考えればよい。実際に手にした印象で「重い」と感じることはない。コンパクトで薄く、軽量なモバイルノートという基本コンセプトを踏襲している。ThinkPadシリーズらしい質感の高さは言うまでもない。
拡張性は割り切りが必要
周辺機器を接続する端子はUSB Type-C端子が2基のみなので、割り切りが必要だ。しかも1つは充電に使うことになるので、常時使える端子は1基だけになる。
例えば会社の外付けモニターやプロジェクターにつなぐ際には、HDMIへの変換コネクターが必要になる可能性がある。またUSB Type-Aケーブルでスマートフォンなどをパソコンから充電できない。USB Type-A端子が多いマウスのレシーバーや外付けキーボードを使うときにも、変換コネクターが必要になる。
ただしUSB Type-C端子はThunderbolt 4対応なので使い道は広い。最新の外付けモニターならケーブル1本でつながるはずだ。
ThinkPad X1 Nano Gen2をセカンドマシンと割り切って購入するのであれば、さほど困ることはないだろう。だがメインマシンとして使うのであれば、Thunderbolt 4対応のハブを用意したほうがよさそうだ。