いよいよ2023年が始まった。2023年のガジェットなどIT関連製品がどのように変わるか大胆に予測してみようと思う。毎年こういった予測記事を執筆しているが、移り変わりの激しい業界だけになかなか難しい。特に年の後半の予想は大きく外す可能性もある。それもまた年初めの楽しみとしてお読みいただければ幸いだ。
パソコンは売れず価格戦略がまちまちに
まずパソコンだ。新型コロナ禍でテレワークが浸透し、2020年は売れに売れたパソコンだが、2021~2022年はその反動で大幅に出荷台数を減らしている。
もちろんこの傾向はメーカーも承知しており、売り上げの減少は既定路線だ。ただ想定外だったのが為替レートが大幅な円安になったこと。2022年末に発表された一部の製品はかなり値上がりしている。為替の影響が価格に反映されるのにタイムラグがあるので、2023年の前半も値上がり傾向はある程度続くだろう。
一方で利益を削っても価格を抑えてくるメーカーも少なくないはずだ。そもそもパソコンが売れていない状況なので、背に腹は代えられないといったところだろう。価格戦略はメーカーによってまちまちとなりそうだ。
性能面でみると2022年には米Intel(インテル)の第12世代Coreプロセッサーが登場し、性能が大幅に向上した。2023年はノートパソコンなどモバイル用を含め、第13世代が主流になる。しかし第11世代から第12世代のような大幅な性能の伸びはないだろう。妥当な範囲の性能向上にとどまるはずだ。そう考えると価格がこなれた型落ちの12世代を狙うのはとても賢い選び方だと思う。
2023年のパソコンはこうなる
2023年のパソコンのトレンドを考えていこう。僕は大きなトレンドの変化はないと思っている。
2022年には画面の縦横比率が横長から正方形に近づいたほか、有機EL(OLED)ディスプレーの搭載、Web会議向けの機能の充実などが多くみられた。この傾向は2023年も続くだろう。
注目は5G(第5世代移動通信システム)やLTEモデムの内蔵が増えるかだ。新型コロナ禍が落ち着きつつあり、2023年は外出の機会が増えるだろう。この3年ほどで急速に利用されるようになった「Teams」や「Slack」といったチャットは、通信回線内蔵パソコンの方が間違いなく使いやすい。価格さえ下がってくれば通信回線内蔵モデルを選ぶユーザーは増えるはずだ。
また、USB Power Delivery 3.1が普及モードに入り、100Wを超える給電が可能になった。GPUを搭載したクリエーター向けのモデルやゲーミングノートも、USB Type-C端子で給電できるようになるとうれしいところだ。