位置情報サービスとWi-Fiのオフがバッテリーの持ちに大きく効いた
今回の実験は以下の4パターンでバッテリーの残量が100%の状態からの減り方を測定。実験に使用した端末は、筆者が新品で購入してから1年半使い続けたiPhone Xだ。
(1)モバイルデータ通信だけオン
(2)モバイルデータ通信/Bluetoothをオン
(3)モバイルデータ通信/Bluetooth/位置情報サービスをオン
(4)モバイルデータ通信/Bluetooth/位置情報サービス/Wi-Fiをオン
(4)は筆者が普段から利用している設定。通信機能のオン/オフを意識していない一般的なユーザーは、この設定で使っていることが多いだろう。
結果をプロットしたグラフを見ると、バッテリーの減り方の違いは一目瞭然。比較的新しい機種でも、各種通信機能をオフにすると省電力となりバッテリーでの使用時間は延びることが分かった。
(1)のモバイルデータ通信だけがオン(Wi-Fi、Bluetooth、位置情報サービスをオフ)の状態で、バッテリーの残りが20%になるまでの時間は47.7時間だった(グラフの水色の線)。
他のパターンも見ていこう。アップルのワイヤレスイヤホン「AirPods」で音楽を聴くことが多いのでBluetoothは普段から使っているが、Bluetoothをオンにした(2)の状態でも、バッテリーの使用時間は(1)よりもそれほど短くならない(グラフの紫色の線)。Bluetoothの通信はかなり省電力であることが分かる。
予想以上に電力を消費していたのは位置情報サービス。(2)の状態から位置情報サービスをオンにした(3)では一気にバッテリーの減り方が大きくなった(グラフの茶色の線)。バッテリー残量が20%になった時間をグラフから読み取ると35時間だった。
これは想像だが、位置情報サービスのオンに伴い、位置情報を利用しているアプリやシステムの機能がバックグラウンドで一斉に動作を始めたことで消費電力が増えたのではないだろうか。その推測が正しければ、位置情報サービスを使用するアプリやシステムの機能を個別にオン/オフして最適化することで、ある程度はバッテリー消費を抑えられるだろう。
さらにWi-Fiをオンにした(4)の状態では、バッテリーの減り方がもっと速くなった(グラフの黄色の線)。バッテリー残量が20%になったのは、使用開始から20.7時間が経過したときだった。
通信機能のオン/オフはトレードオフを考慮して検討しよう
以上のことから、Bluetooth、Wi-Fi、位置情報サービスをオフにすると、それぞれをオンで使うよりもiPhoneのバッテリーの消費は抑えられ、筆者の環境では特にWi-Fiと位置情報サービスのオフがバッテリーの持ちに効くことが確認できた。
筆者の場合、iPhoneのBluetooth機能はApple Watch(GPSモデル)やAirPodsとの通信に常用している。実験のためBluetoothをオフにしていた間は、音楽は有線のイヤホンで聴き、Apple WatchではiPhoneの通知を受けられないので、かなり不便だった。iPhoneはBluetoothをオンにして使いたい。
位置情報サービスがオフの状態では、撮影した写真に位置情報が追加されないため、旅行先などでInstagramに写真を投稿する際、写真に位置情報を付けられない。また、位置情報を使ってその場所にチェックインするサービスが利用できない、天気予報を確認する際に手間がかかる、といった不便があった。一方で、実験結果を見ると位置情報サービスのオフは省電力にかなり有効だ。オンにするかオフにするかは、自分の使い方に合わせて検討したい。