新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛の影響で運動不足を実感している人も多いのではないだろうか。iPhoneにはユーザーの健康に関する情報を集約する「ヘルスケア」アプリがある。日々のユーザーの活動を記録し、様々な観点で視覚化してくれる。
今回はヘルスケアアプリの機能や設定、活用方法を紹介しよう。
ヘルスケアアプリでできること
iPhoneには歩数や歩行距離といった「アクティビティ」などの健康に関する情報が記録される。ヘルスケアはそうした情報を読み出して視覚化するアプリだ。「Apple Watch」に代表される活動量計、対応する体重計・体組成計などから得られた情報を連携して表示することもできる。
iPhoneに内蔵される加速度センサーやジャイロスコープ、電子コンパスなどからユーザーの動きを捉えるアプリは以前から存在している。「iPhone 5s」以降の機種には「モーションコプロセッサー」と呼ばれる専用チップが搭載され、そこから状況が大きく変化した。
それまではCPUが処理していた各種センサーからの情報を、モーションコプロセッサーが一手に引き受けることにより、アプリを起動せずに少ないバッテリー消費でアクティビティを記録できるようになったのである。
ちなみに「iPhone 6s」以降の機種ではプロセッサーにモーションコプロセッサーの機能が組み込まれて独立したチップではなくなっており、省バッテリー性能がさらにアップしている。
またヘルスケアアプリは、iOS 13で画面のデザインが大きくリファインされ、画面下部のメニューが「概要」「ブラウズ」が2つだけというシンプルな構成に変更された。画面に表示されているアイコンも大きくなり、以前よりも分かりやすくなったと筆者は感じる。
アプリを初めて起動するときは、概要画面にほとんど情報はなく、ヘルスケアアプリの解説が表示されているだけと筆者は記憶しているが、全て一読することをお勧めする。ヘルスケアアプリで可視化される情報の意味や記録する意図を知ることで、それらを意識して生活できるからだ。
1週間程度使っていると、概要画面に過去の統計、前日や前週との比較などが表示されるようになる。これらを確認するのが面白くなったり、記録することが楽しくなってきたらしめたものだ。
ブラウズ画面ではヘルスケアアプリに記録される全ての情報をカテゴリーごとに確認できる。カテゴリーは「アクティビティ」「バイタル」「マインドフルネス」「栄養」「呼吸」「周期記録」「心臓」「身体測定値」「睡眠」「聴覚」「その他のデータ」の11種類。このうち、周期記録と聴覚はiOS 13で新たに追加された項目だ。
次にこれらのカテゴリーから、iPhone単体でも記録できて日々の過ごし方に直結する「アクティビティ」と「睡眠」を紹介する。