コロナ禍でマスク着用の機会が増え、iPhoneの顔認証「Face ID」が意味をなさない場面が増えていた。2021年4月26日にリリースされた「iOS 14.5」では、Apple Watchと組み合わせることで、マスクをしていてもiPhoneのロックを解除できるようになり、ようやく不便が解消される。
と言っても、Apple Watchを持っている必要があるため、iPhoneユーザー全員がこの機能を使えるわけではないのは残念。しかし現時点ではFace ID搭載iPhoneのセキュリティー対策と使い勝手の良さを両立させるベストな解決方法と言えるだろう。Apple Watchユーザーならこの機能を使わないともったいない。
iOS 14.5に搭載された「Apple Watchでロックを解除」機能の使い勝手と安全性を検証したので、その結果をお伝えしよう。
Apple WatchがiPhoneの「鍵」になる
Face ID搭載iPhoneを使っていると、マスク着用時にFace IDが利用できず、パスコード入力でロック解除しなければならない。これがかなり煩わしく、指紋認証「Touch ID」を搭載するモデルのほうがコロナ禍における「新しい生活様式」では使いやすいというのが今の状況だ。
マスク着用時にFace ID認証が使いにくい問題は、2020年5月にアップデートされたiOS 13.5で対処されている。しかし、それはマスクを着用した顔を検出すると素早くパスコード入力画面に切り替わるといったもので、画面からパスコードを入力しなければならない点は同じだった。
今回、iOS 14.5に搭載された「Apple Watchでロックを解除」機能は、Apple Watchをロック解除の「鍵」として使うため、マスクをしていてもパスコードの入力は不要になり、通常のFace IDのようにiPhoneに触れることなく素早くロックが解除される。
この機能を使うには、まずiPhoneとApple WatchのOSをそれぞれ「iOS 14.5」「watchOS 7.4」以降にアップデートしておく必要がある。この機能は「Series 3」以降のApple Watchでサポートされているので、Apple Watchユーザーの多くが利用できるのではないだろうか。ちなみに「Series 2」以前のApple Watchは、watchOS 7にアップデートできない。
続いて、iPhoneの「Face IDとパスコード」設定画面を開くとiPhoneとペアリングされたApple Watchが表示されるので、「Apple Watchでロック解除」で使用するApple Watchをオンにしよう。
基本的には作業はこれで完了なのだが、Apple Watch側にパスコードを設定していなかったり、「手首検出」をオフで使っていたりすると、それぞれをオンにするように促される。設定を変更した後に「Apple Watchでロック解除」が利用できるようになる。
「手首検出」機能は、Apple Watchのロックを一度パスコードなどで解除すると、それ以降は腕を上げたら自動的にロックを解除する仕組みに利用されている。