iPhoneに搭載されている「ボイスメモ」アプリは、会議の録音やちょっとした音声メモに利用すると便利だ。手軽に専用ボイスレコーダー並みのクリアな録音ができるのだから使わない手はない。
シンプルなアプリだが、実はシステムのアップデートに伴い徐々に進化している。今回はiOS 15で追加されたボイスメモの新機能と、音声を取り出してパソコンに送る方法を紹介しよう。
ボイスメモの基本的な使い方はこれまでと大きく変わっていない。念のために確認しておこう。アプリを立ち上げて赤丸のボタンをタップすると録音が開始。録音中にほかのアプリを使用でき、その際はバックグラウンドで録音が続く。
バックグラウンド録音中なのは画面左上の時刻部分がオレンジ色で明滅していることで確認できる。なおホームボタン搭載のiPhoneでは画面上部にバックグラウンド録音を示す赤色のバーが表示される。時刻部分、または赤いバーをタップするとボイスメモに戻って操作可能になる。
無音スキップと速度変更オプションが新たに搭載
iOS 15でボイスメモに追加された新機能は3つ。そのうち、筆者が目玉機能と感じるのは「無音をスキップ」機能だ。この機能を有効にして再生すると無音部分を自動的に飛ばしてくれる。これまでは手動で飛ばそうとしても、飛ばしすぎて戻すといったことがあり、かえって手間と時間がかかってしまうことがあったが、「無音をスキップ」を使うと操作することなく無駄な時間をカットできる。
実際に使ってみると、バックで小さく流れている音楽やざわつきといった完全に無音ではない部分も飛ばすなど、インテリジェントに機能しているようだ。
2つ目の機能は、再生速度を変更する機能。早口で聞き取りにくかった部分を遅くして聞いたり、概略が分かればよい録音は速くして聞いたりといった調整が可能だ。これまでこの機能がなかったのは、ボイスレコーダーアプリとして残念だった。だが、搭載されたことで実用性はかなりアップしたと思われる。
上記2つは再生スライダーの左下にある「オプション」ボタン(3つのスライドバーのようなアイコン)をタップして呼び出した画面から利用できる。カメとウサギのスライドバーで再生速度を変更。カメが「遅く」でウサギが「速く」だ。「無音をスキップ」はオンにするだけだ。
同じ画面にある「録音補正」は、オンにすると周囲のノイズや残響を軽減して聞き取りやすい音に加工してくれる。以前は「魔法の杖(つえ)」のアイコンで搭載されていた補正機能と基本的に同じものだと思われる。