今回は中国TCL集団のSIMフリースマホ「TCL 10 5G」を紹介する。TCLは中国の大手家電メーカーで、2019年から自社ブランドのスマホの製造・販売を始めた。2020年は世界市場に向けて「TCL 10」シリーズ3機種を発売。TCL 10 5Gはそのうちの1機種で、同社初の5Gモデルである。
量販店での実勢価格は3万9800円(税込み)。本レビューを執筆中の2020年12月22日現在、日本で買える5Gスマホの中では最も安い端末だ(キャリアによる各種割引施策適用前の価格と比べた場合)。日本の正規代理店であるFOXから借りた端末を約2週間使ってみた。
液晶ディスプレーだが画質はよい
ディスプレーは6.53インチで、解像度はフルHD+(2340×1080ピクセル)。4G対応の上位モデル「TCL 10 Pro」は有機ELディスプレーを搭載しているが、TCL 10 5Gは液晶を採用して製造コストを抑えている。とは言え、明るさや視認性に不満を感じることはなく、メリハリが感じられる鮮明な画質で表示される。
筆者は、TCLは実績のあるテレビで培った技術をスマホにも生かしているといった話を聞いたことがある。それが「NXTVISION」という機能だ。自動または手動で、表示を好みの画質に調整できる。写真や動画を見るときは「表示の拡張」をオンにすると、より鮮やかな色で表示される。また、SDR画質のストリーミング動画の画質をHDR相当に上げる機能も備えている。
本体右側面に電源ボタンと音量ボタン、左側面にはSIM/microSDスロットと「スマートキー」を搭載する。