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 日経アーキテクチュアの最新号に掲載した建築物をピックアップ。今号の1枚は、吉田誠さんが撮影した「周南市立徳山駅前図書館」です。「建築プロジェクトデータベース」(日経 xTECH有料会員サービス)では、雑誌の発行と連動して最新の建築情報を更新。概要データや写真・図面などを見ることができます。

JR徳山駅北口に立つ地上3階建ての施設。橋上駅舎の自由通路と一体的に整備され、施設内を通路が貫通して駅前広場へとつながる。建物は街に向けて全面ガラス張りで、広いテラスも張り出す。1969年に建てられた旧駅ビルとほぼ同位置で建て替えた(写真:吉田 誠)
JR徳山駅北口に立つ地上3階建ての施設。橋上駅舎の自由通路と一体的に整備され、施設内を通路が貫通して駅前広場へとつながる。建物は街に向けて全面ガラス張りで、広いテラスも張り出す。1969年に建てられた旧駅ビルとほぼ同位置で建て替えた(写真:吉田 誠)
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(日経アーキテクチュア4月12日号フォーカス建築から)

 2月3日の開業日に訪れたのは1万8000人。その後も大勢でにぎわい、来館者は同月だけで22万人を数えた。山口県周南市の玄関口、JR徳山駅に直結する周南市立徳山駅前図書館は、初年度の年間目標120万人を上回るペースで人を呼び寄せている。1969年に建てられた旧駅ビルを建て替えた建物は、鉄骨造3階建て。公立図書館と書店、カフェ、交番などが入る。

 施設の特徴は2つある。地域の主要駅に直結して図書館を設けたこと。そして、駅の持つ集客力を街なかにも波及させようとしている点だ。駅改札のある橋上の自由通路は、そのまま建物内に入って2階のテラスとなり、駅前広場に向けて大きく張り出す。建物は全面ガラス張りで、夕暮れとともに明かりがともると、内部の様子が街に浮かび上がる。

 「直射の入らない北向きの建物なので、街に対して開き、“街のリビング”のような空間をつくろうと思った」。そう話すのは、設計を手掛けた内藤廣建築設計事務所(東京都千代田区)の内藤廣代表だ。周南市が2013年12月に実施した公募型プロポーザルで設計者に選定された。

 「駅周辺ににぎわいを取り戻すきっかけとなる施設として、市民の要望が多かった図書館や書店、カフェなどが入る施設を計画した」。周南市中心市街地整備部中心市街地整備課の野村正純課長は、建設の背景をそう説明する。

 15年ほど前から周南市は中心市街地活性化の一環で徳山駅周辺整備に取り組んできた。14年には、駅舎の橋上化に合わせて、駅の南北をつなぐ自由通路を整備。続いて駅前広場の再整備と一体で、旧駅ビルの建て替えを進めてきた。正式な名称は「周南市徳山駅前賑わい交流施設」だが、完成後は図書館を前面に打ち出した呼称が使われている。

 図書館や書店などの運営は、公募で指定管理者に選定されたカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が担う。同社が同様の形式で運営する公立図書館は、周南市で全国5件目となる。