バッテリーの劣化を避けるには
リチウムイオン電池の劣化を避けるには、日々の利用時に注意しなければなりません。例えば、ACアダプターを常につなぐような使い方をすると、劣化が早まります。できるだけ適切な充電と放電を繰り返すようにしましょう。
普段は自宅で使い、時々持ち出すようなノートPCは、つい電源を接続したままにしがちです。これは過充電につながるだけではなく、電池の温度を上げてしまうという問題が起こり得ます。ACアダプターなどの電源を接続したままにすると、充電回路や電源回路などが動作状態となり、どうしても内部温度が上昇してしまいます。
スマートフォンはどうでしょうか。帰宅して充電を始め、充電が完了しても翌朝までそのままにすることを、毎日繰り返している人は少なくないと思います。しかしこれでは、バッテリーの内部温度が高くなり、劣化を早めてしまいます。充電が終了したら、充電器(ACアダプター)をすぐに外して充電を停止させ、本体の温度上昇を避けるようにします。翌日出かけるときまでその状態を維持したければ、電源をオフにしておくとよいでしょう。
また最近は、スマートフォンにモバイルバッテリーをつなぎっぱなしという使い方をしている人を見かけます。これも充電を長い間続けることになるため、やはり内蔵バッテリーの劣化を早めます。モバイルバッテリーを接続するのは、本体のバッテリーがなくなってきてからにする方がよいでしょう。ただ、ややこしいことに、モバイルバッテリーにもリチウムイオン電池が内蔵されています。こちらも本来なら充電を管理すべきですが、スマートフォンと合わせて2台充電を管理するのはかなり面倒です。
モバイルバッテリーは安価に入手可能ですが、スマートフォン内蔵のバッテリーを交換するのはよりコストがかかります。なので、モバイルバッテリーは劣化したら捨てるつもりで使った方がいいかもしれません。つまり、「普段は帰宅したらモバイルバッテリーだけを充電、スマートフォンのバッテリーが残り少なくなったらモバイルバッテリーで充電。完了したらモバイルバッテリーと接続してあるケーブルを外す」という運用がいいのかもしれません。
一方、過放電を防ぐには、使い切る前に充電を開始することが重要です。しかし、半分も減っていないのに充電するような使い方を続けると、やはり劣化が早まります。ですから、バッテリー残量が数パーセント程度になったら、動作しているうちにできるだけ充電するようにします。すぐに充電できないなら電源を落としてもよいでしょう。自然放電などで消費する電力はわずかなので、1日程度ならバッテリーを使い切ってしまうことはありません。