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 一進一退の攻防が続く新型コロナウイルスとの闘い。その最前線にあるのが、医療現場です。日経アーキテクチュア2020年8月27日号では、特集「コロナとの攻防 病院建築最前線」を組みました。診療を続けながら、いかに感染拡大を防いでいくか。最前線の現場を支える建築実務者の取り組みに密着するとともに、今後の病院建築の在り方を展望しました。

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 全国の医療施設では、クラスター(感染者集団)の発生が相次いでいます。全国知事会の新型コロナウイルス緊急対策本部が公表した調査結果によると、6月19日時点でのクラスターの発生場所は医療機関が84件と最も多く、全体の約35%を占めていました。

 危機に直面する医療現場を建築の力でどう守るか。ポイントは、ゾーニングと動線計画です。特集では、PCR検査などを実施する「発熱外来」、コロナ患者向けの「臨時の医療施設」、感染症外来と直結する感染症病棟など、第2波への対応を急ぐ医療施設の事例を複数取り上げています。

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 コロナ禍を受けて病院建築は今後、どのように変わるのか。順天堂大学大学院感染制御科学の堀賢教授は、「海外の病院では感染対策やプライバシー確保の観点から個室化が進んでいます。しかし日本では診療報酬の施設基準などに縛られて、大部屋を半分以上つくらざるを得ない場合があります。コロナ禍を機にそうした規制を見直して、個室化やコンパートメント(区画)化を促進すべきときに来ていると思います」と指摘しています。

 医療スタッフの安全性や作業効率を高めるため、ICT(情報通信技術)の活用も進みそうです。AI顔認証+検温、紫外線除染ロボット、自動搬送ロボットといった技術の導入は既に始まっています。特集の後半では、ICTで変わる病院の未来を展望しています。

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 ウイルスとの闘いは今後も続きます。感染症対策は今や、一部の専門病院だけでなく、全ての医療施設にとって切実な問題となっています。建築実務者は医療従事者と協働し、感染症対策のノウハウを建築設計に生かすことが求められています。

<特集 目次>

コロナとの攻防 病院建築最前線
押し寄せるウイルス感染拡大に設計で立ち向かう

“外来パンク”に備える
医師と協働で検査ユニット急設

感染症対策の事例
2波対応を急ぐ医療施設

ゾーニングで感染を防ぐ
隔離しにくい中小病院を救え

医療現場を支える最新技術
ICTが実現する未来の病院

展望
病院のスタンダードが変わる