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 「空の産業革命」と呼ばれるドローンの活用が、建築分野でも本格的に始まっています。日経アーキテクチュア2020年10月8日号では、特集「飛び立て!建築ドローン」を企画しました。日経アーキテクチュアがドローンに焦点を当てて特集記事を組んだのは初めてです。建築の設計や施工、維持管理の現場における先駆的な取り組みをリポートしました。

埼玉県川越市にある複合施設「U_PLACE(ユー・プレイス)」のドローン撮影に密着した。飛び立ったドローンは、一気に150m近い高さまで上昇し、建物を見下ろす(写真:池谷 和浩)
埼玉県川越市にある複合施設「U_PLACE(ユー・プレイス)」のドローン撮影に密着した。飛び立ったドローンは、一気に150m近い高さまで上昇し、建物を見下ろす(写真:池谷 和浩)
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 ドローンと言えば、すぐにイメージするのは空撮でしょう。建築分野でも竣工写真の撮影などで身近になりつつありますが、利用シーンはこれにとどまりません。ドローン自体の高性能化に加え、ドローンに積む装置の小型軽量化も進み、応用範囲が格段に広がっています。

 建築分野で特に飛躍が見込まれるのが、点検・検査の業務です。従来であれば足場を組んで時間を掛けて人が目視で行ってきた作業を、ドローンで代替させる取り組みが目立ってきました。政府が20年7月に閣議決定した成長戦略実行計画で「ドローンによる外壁調査」が盛り込まれたことも後押ししています。

 特集では、超高層ビルの外装材の点検、赤外線カメラを用いた外壁タイル調査、大型施設での屋根溶接検査などの事例を取り上げています。例えば、西武建設が開発を進める「ラインドローンシステム」。建物外壁に沿って張った糸(ライン)をガイドとしてドローンを飛ばし、外壁を撮影する技術です。高さ90m超の超高層ビル「中野サンプラザ」で実証試験を実施し、ビル風や電波障害のある環境での調査の安全性を確認しました。同社は販売代理店と連携して、20年11月からこのシステムを外販する予定です。

(写真:日経アーキテクチュア)
(写真:日経アーキテクチュア)
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 屋内設備の点検でもドローン活用が始まっています。三菱地所グループの東京流通センター(TRC)は20年から、ドローンによる施設管理サービスの開発に着手しました。手のひらサイズのマイクロドローンを活用したサービスで、ベンチャー企業のアイ・ロボティクス(東京都新宿区)とタッグを組み、倉庫空間で実証実験を進めています。今後、こうした技術が、点検・検査の業務に大変革をもたらすかもしれません。

 特集では点検・検査のほか、設計や施工における活用事例、ドローンを利用したビジネスの動向、法規制の動向などをまとめました。撮影時のプライバシー確保などの課題についても解説しています。ぜひご覧ください。