全1210文字
PR

 2021年4月に改正高年齢者雇用安定法、いわゆる「70歳定年法」が施行されます。70歳定年制が現実味を帯びる中、建築設計事務所や建設会社でも雇用制度見直しの動きが始まっています。生き生きと働き続けるためには、どのようにキャリアを積んでいけばよいのか。日経アーキテクチュア21年2月25日号では、特集「設計者寿命の延ばし方」を組みました。独自の道を切り開いた建築設計者7人の活動に焦点を当てて、キャリア形成のヒントを探っています。

(写真:アラップ、日経アーキテクチュア)
(写真:アラップ、日経アーキテクチュア)
[画像のクリックで拡大表示]

 70歳定年法では、希望する社員が70歳まで働けるような環境づくりをする努力義務が企業に課せられます。一方で、働く側も自らのキャリアを選択・決断することが求められる時代になるといえるでしょう。

 特集前半では、「キャリアを切り開く」と題して、竹中工務店で設計部長を務め、定年退職後に大学教授に転身した増田俊哉氏(60歳)をはじめ、5人の建築設計者に登場してもらいました。「兼職」「協働」といったキーワードで、多様化する働き方の今を紹介しています。

 後半では、「最大手組織のモデルプラン」と題して、日建設計チーフデザインオフィサーで常務執行役員の山梨知彦氏(60歳)、竹中工務店設計本部長の原田哲夫氏(59歳)に登場してもらいました。どんな視点や努力によって、設計の最大手組織で今の立場をつくったのか、インタビューから解き明かします。

 登場する7人に共通するのは、人との出会いや出来事との関わりといった得難い経験が“気づき”を生み、その後のキャリア形成に大きく影響しているということです。詳しくは本誌をお読みいただきたいのですが、各人のたどってきた足跡を振り返ることで、そこでの“気づき”をいくらかでも共有できると思います。

 バブル入社組の大量定年を控え、大手の設計事務所や建設会社では、シニア人材の活用が大きなテーマになっています。30代、40代の若手・中堅世代にとっても決して人ごとではありません。急速に変化する建築実務者のキャリア事情については引き続き追いかけたいと思います。

<特集 目次>

設計者寿命の延ばし方
70歳定年法が求める「生涯現役」のシナリオ

キャリアを切り開く
兼職、協働……、広がる選択肢

 60歳の岐路に立つ/増田俊哉氏、弥田俊男氏、平山文則氏
 設計部長まで勤め上げた後に大学へ

 アトリエ事務所のパートナーに/品川雅俊氏
 設計チーフから青木淳氏の“相棒”へ

 エンジニアと教員を兼職/荻原廣高氏
 アラップの設計を実測して相乗効果

70歳定年法の影響
60代のシニアが表舞台に

最大手組織のモデルプラン
社会に問う提案を続けて存在感

 設計のトップに学ぶ/日建設計・山梨知彦氏
 生活の中のアイデアを積極投入、“山梨3部作”で揺るぎない評価

 設計のトップに学ぶ/竹中工務店・原田哲夫氏
 大阪の大型プロジェクトで実績、駅や街とのつながりを追求

定年延長がもたらす意識改革
FA宣言できる60歳を目指せ