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 マンションなどで外壁タイルが剥離し、落下するトラブルが相次いでいます。日経アーキテクチュア2021年10月14日号の特集は「外壁タイルの落下を防げ」。紛争の現場から見えてくる問題点を解説すると共に、落ちないタイルを実現するための最新の技術動向などを追いかけました。

(写真・資料:古賀 一八、鈴木哲夫設計事務所、長谷工コーポレーション、アウトソーシングテクノロジー、竹中工務店、東急建設)
(写真・資料:古賀 一八、鈴木哲夫設計事務所、長谷工コーポレーション、アウトソーシングテクノロジー、竹中工務店、東急建設)
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 特集の冒頭では、外壁タイルの浮き・剥落を巡るトラブルの現場をリポートしています。原因は経年劣化か、施工不良か。紛争の場面で度々登場するのが、浮いた面積の割合を示した「浮き率」です。管理組合が浮き率を根拠に、新築時の施工会社などに補修費の負担を迫ることが増えています。

 外壁タイルの剥落トラブルが裁判に発展するケースも少なくありません。ただ、発生原因の特定が困難なケースが多く、解決が難しいと言われます。そうした状況に一石を投じる注目判決が、大阪地方裁判所で18年2月14日に下されました。築5年8カ月目に大量のタイルの浮きが発覚した事案で、浮き率で施工不良があると推認し、下請けのタイル工事会社に損害賠償金の支払いを命じたというものです。

 この判決を言い渡した高嶋卓裁判官は17年に法曹専門誌で、外壁タイルの施工不良の判定目安を提案する論文を執筆していました。浮き・剥落率が「施工後5年超10年以内に3%以上」「施工後10年超15年以内に5%以上」発生していたら、施工不良ありと推認するものです。今後の裁判で重要な指標となる可能性があります。

 22年4月には、建物の円滑な維持・管理を促す改正マンション管理適正化法が全面施行されます。外壁タイルの品質に向けられる視線がさらに厳しくなる可能性があります。タイルの落下のリスクをいかに封じ込めていくか。維持管理に加え、新築時の設計や施工段階での品質確保が重要であることは、言うまでもありません。

 特集の後半では、外壁タイルの落下防止を巡る技術動向を解説しています。ドローンやAI(人工知能)、MR(複合現実)、3Dスキャナーの活用といったデジタル革新が進む調査手法などを取り上げました。実務ノウハウなど、ヒント満載の特集です。ぜひご覧ください。