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 日経アーキテクチュア2021年10月28日号は、毎年恒例の学校特集号です。今回のタイトルは「キャンパスを編み直す」。副題は「交流重視で学生の居場所づくりを推進」です。

(写真:妹島和世建築設計事務所、吉田 誠、南山大学、車田 保、大成建設、スタジオ オーク、ナカサアンドパートナーズ、八木佐千子・NASCA+partners、淺川 敏)
(写真:妹島和世建築設計事務所、吉田 誠、南山大学、車田 保、大成建設、スタジオ オーク、ナカサアンドパートナーズ、八木佐千子・NASCA+partners、淺川 敏)
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 特集の前書きを引用します。

 「校舎の老朽化などから、キャンパスを再編する動きが加速している。講義型の授業優先で整備してきた結果、授業がないときに学生の行き場がない、グループで学ぶスペースがないなど、問題が山積している。住民や企業との交流を通した地域貢献も大きな課題だ。アフターコロナも踏まえ、既存校舎を最大限に生かしながら全体を再構築する次の一手を探った」。

 特集では、大学編、中高編に分け、計4つのキャンパス再編事例を取り上げています。その1つが、日本女子大学の目白キャンパス(東京・文京)です。同大学は創立120周年を迎えた21年4月、人間社会学部を西生田キャンパス(川崎市)から目白キャンパスに移転し、4学部15学科と大学院を創立の地に統合しました。

 長年の間に大小様々な校舎が増改築されていったキャンパスをどう再編すればいいか。そのグランドデザインを描いたのは、卒業生の妹島和世氏です。妹島氏は新しい図書館、「百二十年館」と呼ぶ教室・研究室棟、「杏彩館」と呼ぶ学生棟の設計も手掛けました。新施設にはラーニングコモンズやパティオなど「学生が滞在できる場所」が連続的に設けられており、学生たちはフル活用しています。

 日本女子大学学長の篠原聡子氏は、こう語ります。「計画段階ではラーニングコモンズをしっかり確保した。それがコロナ禍の今、オンラインによる遠隔授業と対面授業が半々で、キャンパス内で遠隔授業を受ける学生も多いため、有効に機能している」「これからの大学は、皆と一緒にいる感覚を持てる場所が重要になっていくのかもしれない」

 特集ではこのほか、南山大学(名古屋市)、愛光学園(松山市)、同志社香里中学校・高等学校(大阪府寝屋川市)の事例を取り上げました。「連ねる」「生かす」「交わる」「つなぐ」という4つの事例における編集術は、今後の学校施設整備のヒントになると思います。

 コロナ禍では多くの大学でキャンパスへの立ち入り制限が続き、「学生の孤立化」が問題になっています。対面でのコミュニケーションが貴重になった今、交流の質を高める環境整備の重要性が増しているといえるでしょう。特集では、専門家への取材などを基に、学校施設整備に関する動向も解説しています。事例と併せて、ご一読ください。