建設業の生産性を飛躍的に高める「i-Construction(アイ・コンストラクション)」。2016年以降、最重要政策となったこの取り組みについて、制度整備、技術開発の両面から最新動向をウオッチします。
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大林組は、3次元コンピューターグラフィックス(3DCG)のバーチャル現場を構築して作業工程を見える化する技術「施工シミュレータ」を東名高速道路の東名多摩川橋で床版取り換え工事に初適用した。詳細に事前検証することにより、当初計画で60分だった作業時間を10分短縮、作業員数を2人削減した。施工シミュレ…
西松建設と佐賀大学都市基盤工学コースの伊藤幸広教授の研究室は共同で、水路トンネルの劣化状況を点検する自律走行式水路調査ロボット「turtle(タートル)」を開発した。同社と長崎大学が以前開発した同じ用途のロボットと比べ、点検に要する時間が長くなった一方で精度が向上した。
鹿島は、道路上に光ファイバーを敷設し、車両の位置や速度をリアルタイムで把握する実証実験を実施した。道路管理者によるパトロールやカメラでの監視といった道路管理を補完するツールとして使えることを確かめた。
鹿島は、ダムの堤体コンクリートでひび割れ発生の予兆となるひずみ挙動を、光ファイバーを使ってリアルタイムで高精度に検知する技術を確立した。この技術により、特に寒冷地に新設するダムで品質向上への効果を見込んでいる。
ドローンによるインフラ点検や測量サービスなどを展開するテラドローン(東京・渋谷)は、販売価格が1000万円台からの高精度レーザードローン「Terra Lidar X(テラ・ライダー・エックス)」を開発した。同等の製品の相場価格よりも25%ほど安価だという。高品質の3次元測量や、BIM/CIM(ビル…
斉藤建設(北海道函館市)は、消波ブロックなどの施工が設計通りに進んでいるかどうかをMR(複合現実)技術で確認できるシステム「バーチャル・スケール」を開発した。自社で用いるだけでなく、2023年春から社外へのリース事業を始める予定だ。
エイト日本技術開発(岡山市)とNTT西日本グループのジャパン・インフラ・ウェイマーク(大阪市)は共同で、橋梁を撮影した画像から危険な損傷箇所を抽出するAI(人工知能)を開発した。ドローンで撮影し、リアルタイムで取得した画像に対して用いることで、橋梁保全のさらなる効率化や迅速化を目指す。
鹿島は、打設後のコンクリートの表層品質を人工知能(AI)が採点するアプリを開発した。タブレット端末で対象を撮影すると、AIによる評価やその理由が表示される。採点結果などを基に打設計画を見直し、コンクリート構造物の品質を高める。
クラボウと東京大学大学院は、建設用3Dプリンターで造形物の性能を向上させる「メタマテリアル技術」の確立に向け共同研究を始めた。内部にトラス構造などを組み込むことで強度やじん性を高める。セメント系材料を用いた造形物に断熱や遮音といった特性を付与できる可能性もある。具体的な構造の検討や製造に取り組むほ…
鹿島は2車線道路のうち片側1車線のみの規制で、道路橋の床版を幅員方向に分割して取り換える技術「幅員方向分割SDR(スマート床版更新、Smart Deck Renewal)システム」を開発した。1日7時間の作業で更新が可能な床版の長さは、従来の1車線規制の標準的な工法であれば6mなのに対して、開発し…
センシンロボティクス(東京・渋谷)とフジタは共同で、GNSS(全球測位衛星システム)が受信できず、かつ暗いトンネル内でドローンを自律飛行させ、工事の進捗情報を収集する「トンネル坑内自動巡視ドローンシステム」を開発した。施工中のトンネルで検証し、有効性を確認した。
エアロセンス(東京・文京)は地上への標定点の設置が不要な測量専用ドローン「エアロボPPK」を開発した。衛星から受信した測位データを後から補正処理する、後処理キネマティック(PPK)を採用したドローンだ。同社によると、PPK対応型の国産市販機は初となる。
鹿島は、セグメント単体を3次元(3D)デジタルカメラで事前に計測することで、橋の線形を高精度に予測する技術を開発。世界最長クラスの支間長を持つ実橋に適用し、架設線形の誤差を3mm以内にとどめ、出来形管理の省力化につなげた。
西松建設は、L is B(東京都千代田区)、日本ディクス(東京都港区)と共同で開発したコンクリート打設情報共有システムの社内展開を推進している。自動プログラムを介して会話を成立させるチャットボットを使う点が特徴だ。コンクリート工事を手配する際に、元請け会社と下請け会社、生コンの調達先などの間に生じ…
エアロセンス(東京・文京)と建設技術研究所は、垂直飛行で離着陸する固定翼ドローン「エアロボウイング」にLTE通信機能を搭載し、1回の飛行で山奥に点在する8基の砂防ダムを点検する実証実験を行った。点検では土砂の堆積量や、ダム本体に流木が引っ掛かっていないかどうかの異常を確認する。LTE通信機能を搭載…
吉川工業(北九州市)は、青木あすなろ建設とクオリカ(東京都新宿区)の協力を得て、フルハーネス型の墜落制止用器具の利用状況を確認できる「安全帯フック着脱確認システム」を開発した。宮崎県内の工事で実証試験を実施。2022年3月に別の現場でも採用を予定する。
土木管理総合試験所(長野県千曲市)は和歌山県にある旧南紀白浜空港の滑走路で、時速80kmで走行しながら空港舗装特有の損傷箇所を検知するアルゴリズムの適用実験を実施した。高速で調査できるだけでなく、健全度を自動判断できる高速解析が売りだ。
エアロセンス(東京・文京)は国産初となるLTE通信機能を搭載した回転翼ドローン「エアロボAS-MC03-LTE」を公開した。携帯電話通信規格の1つであるLTEの基地局を中継することで、今までよりも広範囲での飛行が可能になる。2kgの最大積載量を生かして配送の他、災害時の被害状況の調査や平時のパトロ…
大成建設は、張り出し架設工法による橋梁の上部工工事で、自動化技術やICT(情報通信技術)を使って施工管理するシステム「T-CIM/Bridge」を開発した。施工管理を担う現場の作業員を大幅に減らせる。
東京海上日動火災保険と応用地質は、街中に設置した冠水センサーの実測値と3次元都市モデルを組み合わせて、浸水被害の可視化や情報提供を行うサービスの開発に着手した。福岡県久留米市で大雨時の浸水状況を即時に把握して、アラートを出すことに成功した。