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国土交通省は工事の発注図面に3次元モデルを使う電子契約を2019年度から試行する。工事の入札公告から契約、設計変更、完成図書の納品まで受発注者が3次元モデルでデータをやり取りする。3次元に対応した契約書や仕様書の様式を検討したうえで、18年度中に試行要領案をまとめる。
同省が9月3日に開いた「BIM/CIM推進委員会」(委員長:矢吹信喜・大阪大学大学院教授)の初会合で試行の実施を発表した。同委員会はCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)の活用推進のため16年に設立した「CIM導入推進委員会」が議論してきた内容を引き継ぐ。
従来の契約方式では、契約図書に添付する資料を紙に印刷する必要があることなどから、完成検査で3次元モデルと2次元図面の両方を納品しなければならなかった。電子契約に切り替えることで2次元図面を作成する手間を減らし、CIMを導入するハードルを下げる。
公告から納品までの各段階で作成する3次元モデルの属性情報や表記方法などは、同省が17年度にまとめた「3次元モデル表記標準(案)」に準じる。ただし、曲面などは3次元モデル上で寸法を表現しにくいので、部分的に切り出した2次元図面を併用して対応する。