全1023文字
大型移動式防護車両のイメージ動画(動画:中日本高速道路会社)
中日本ハイウェイ・メンテナンス名古屋と東邦車輌(横浜市)は、高速道路の工事規制内の作業ヤードを確保しつつ、一般車両の誤進入から作業員を防護する「大型移動式防護車両」を共同で開発した。
米国では既に、同様の移動式防護車両が活用されている。しかし、日本の道路運送車両法などに適合しない点があったため、国内向けに新たに開発した。特殊車両の申請が不要なため、ポットホールなどの損傷箇所の補修や事故の復旧に迅速に対応できる。
車両は、トラック部分とトレーラー部分とで構成している。保護ビームとその後ろに連結した衝撃緩衝装置から成るトレーラー部分を、運転席があるトラック部分がけん引して現場まで走行する。トラック部分は大型自動車に分類され、市販品を利用している。
SM570の鋼製の保護ビームは、走行時には左右に分かれているが、作業時はスペースを確保するためにどちらか一方に移動し、重なり合うようにして“仕切り”を構築する。左右に動くことで、走行車線、追い越し車線のどちらの規制にも対応する。
保護ビームの伸縮は、トレーラー部分のリアタイヤだけにブレーキをかけ、トラクタを前進、後進させて行う。走行時の車両の全長は約15.9mだが、作業時は23.4mまで伸ばせる。