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 鹿島は、アジテーター車から荷卸しする生コンクリートを動画で撮影して、施工性の良否を即座に自動判定するシステムを開発した。流下中の生コンクリートの表面勾配からスランプ値を算出。硬くて施工しにくい生コンクリートを見つけて排除できる。受け入れ状況を監視する技術者を配置する必要がない。

開発したシステムを使って現場事務所から生コンクリートの受け入れ状況を確認するイメージ。右のグラフはスランプ値を計算する基となるデータで、横軸が時間、縦軸がシュートに対する生コンクリートの表面勾配を示す。事前に判定のしきい値などを入力しておく必要がある。2020年1月から現場に導入する(写真:鹿島)
開発したシステムを使って現場事務所から生コンクリートの受け入れ状況を確認するイメージ。右のグラフはスランプ値を計算する基となるデータで、横軸が時間、縦軸がシュートに対する生コンクリートの表面勾配を示す。事前に判定のしきい値などを入力しておく必要がある。2020年1月から現場に導入する(写真:鹿島)
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 現場では、アジテーター車から生コンクリートを出すシュートという半割れ管の全体が映るようにビデオカメラを設置するだけだ。パソコンが動画をリアルタイムで自動解析し、シュートに対する生コンクリートの表面勾配を検出する。

 通常、生コンクリートが硬いほど勾配は大きくなる。その経時変化を積分してスランプ値と相関する独自の指標に変換し、施工性を判定する。

 事前に設定したしきい値を下回る硬さの生コンクリートが搬入された際は、現場内の警告灯や事務所に無線で即座に知らせる。最終的には技術者がアジテーター車で現物を確認し、受け入れの可否を判断する。

機材は互いに無線で接続する。受け入れ状況はクラウドシステムを通じて現場事務所からリアルタイムに確認できる(資料:鹿島)
機材は互いに無線で接続する。受け入れ状況はクラウドシステムを通じて現場事務所からリアルタイムに確認できる(資料:鹿島)
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 さらに、生コンクリートが含む水分量などを計測する「連続RI水分計」と呼ぶ既存の機材を組み合わせれば、圧縮強度もリアルタイムで推定できる。

 国土交通省は2017年に「流動性を高めた現場打ちコンクリートの活用に関するガイドライン」を発行し、土木工事での生コンクリートのスランプ値を参考値として12cmに設定した。それ以前に広く使われていたスランプ値8cmよりも施工性は向上したものの、建築工事に比べればまだ硬い。

 現場条件や骨材の品質によっては、プラスマイナス2.5cmの許容誤差内でスランプ値が下振れして圧送ポンプが詰まったり、構造物にジャンカ(豆板)が発生したりする恐れがある。これまでは、アジテーター車5~35台に1回程度の割合で抜き取り試験を実施してスランプ値を確認する他、技術者が常時受け入れに立ち会うなどの対策が必要だった。

 「建築工事ではスランプ値を18cm程度に設定することが多く、問題になりにくい。まずは土木工事を対象に、硬すぎるコンクリートを現場から排除したい」と鹿島土木技術部工種技術開発グループの柳井修司担当部長は説明する。将来は、スランプ試験の自動化などにもつなげる考えだ。

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