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 ジャパン・インフラ・ウェイマーク(JIW、東京・中央)は、障害物を自動で回避するインフラ点検用ドローン「Skydio R2 for Japanese Inspection(J2)」を米スカイディオと共同で開発した。経験が浅い操縦者でも、橋桁と橋脚との間や対傾構の部材間など幅や高さが1mに満たない隙間を縫って安全に飛ばせる。

開発した「Skydio R2 for Japanese Inspection」。機体前方の可動式カメラで点検対象を撮影し、上下に搭載する計6つのカメラで自機の位置を把握する。衝突の危険性の判断には風の影響なども考慮する。バッテリーは磁石による着脱方式を採用。万が一墜落した際は簡単に外れ、衝突される側への衝撃を和らげる(写真:日経クロステック)
開発した「Skydio R2 for Japanese Inspection」。機体前方の可動式カメラで点検対象を撮影し、上下に搭載する計6つのカメラで自機の位置を把握する。衝突の危険性の判断には風の影響なども考慮する。バッテリーは磁石による着脱方式を採用。万が一墜落した際は簡単に外れ、衝突される側への衝撃を和らげる(写真:日経クロステック)
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 近年、橋や法面といったインフラ構造物の点検で、ドローンを活用する事例が増えている。そこで課題として挙がるのが、飛行の安全性だ。橋の下のようなGNSS(衛星を用いた測位システムの総称)の電波が届かない場所では手動で操縦するので、障害物に衝突して墜落する恐れがある。熟練の操縦技術が必要だった。

 J2は、機体の上部と下部にそれぞれ3つの魚眼カメラを搭載し、全方位を常に撮影する。その映像を基に、内蔵する人工知能(AI)が即座に3次元地図を作製。自機と障害物との距離を計測する。障害物に50cm程度まで近づくと、ホバリングしたり経路を変更したりして自動で衝突を避ける。一連の技術は「Visual SLAM」と呼び、GNSSの電波が届かなくても作動する。機体は約25cm四方と小型で、狭い空間にも難なく入り込める。

橋の床版下面を飛行する様子。管路や対傾構が密に配置された狭い空間でも難なく飛行できる(写真:ジャパン・インフラ・ウェイマーク)
橋の床版下面を飛行する様子。管路や対傾構が密に配置された狭い空間でも難なく飛行できる(写真:ジャパン・インフラ・ウェイマーク)
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 Visual SLAMを搭載したドローンは、これまでも製品化されている。ただし、膨大なデータを高速で処理するため、映像の解像度を落としてから3次元地図を作るのが一般的で、木の枝など目立たない障害物を見落とす場合がある。近づけるのは、障害物から1.5~2m程度が限度だった。

 「50cmまで近づけるのは、J2の処理能力が群を抜いているからだ」。JIWサービス開発部の松本存史担当部長はこう説明する。J2は高解像度を保ったまま3次元地図を生成できる。進行方向と反対側の解像度だけ下げるなど、状況に応じて処理方法を最適化する機能も持つ。

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