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 CORE技術研究所(大阪市)は東京大学発のベンチャーであるSERIC JAPAN(東京・千代田)と共同で、自己治癒機能を持つ無収縮グラウト材「パワーグラウト」を開発した。収縮によるひび割れが生じにくく、生じたとしても雨水などで水分が供給されれば、自然にふさがる。

左は幅0.2mmのひび割れ。右は水を供給して7日後にひび割れが閉塞した様子(写真:CORE技術研究所)
左は幅0.2mmのひび割れ。右は水を供給して7日後にひび割れが閉塞した様子(写真:CORE技術研究所)
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 セメント重量の数パーセントを3つの材料に置き換えることで、自己治癒が実現する。1つ目が再結晶材料だ。水と反応する未水和セメントを投入している。2つ目がジオマテリアルなどの防水材料だ。雨が降ったときなどの水を一時的にためる機能を持つ。そして最後が膨張材料だ。水と反応した未水和セメントの結晶を膨張させて、ひび割れなどを埋める。

自己治癒材の3成分のイメージ(資料:CORE技術研究所)
自己治癒材の3成分のイメージ(資料:CORE技術研究所)
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未水和セメントが水分と反応して結晶化した様子(写真:CORE技術研究所)
未水和セメントが水分と反応して結晶化した様子(写真:CORE技術研究所)
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 パワーグラウトで自己治癒機能を発揮させるためには、水分の供給が不可欠となる。そのため、水の影響を受けやすい橋の支承部や排水装置の付近などでの修復材としての適用が見込めそうだ。

 「水が伝わりやすい部位であれば、補修だけでなく新設にも使える」と、CORE技術研究所開発室の廣河了亮課長は話す。