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 大林組と日特建設は法面に設置する格子枠の吹き付けで、ICT(情報通信技術)建機と高強度鋼繊維補強モルタルを使って施工人員を半減する「ラクデショット」を共同開発した。配筋と型枠の作業が不要になり、転落や墜落のリスクが減る。

3Dマシンコントロールバックホーに自動スライドノズルを取り付け、高強度鋼繊維補強モルタルを吹き付ける。オペレーターの熟練度によらず、連続した格子枠を構築できる。法面からバックホーまでの距離は約3~8m(写真:大林組)
3Dマシンコントロールバックホーに自動スライドノズルを取り付け、高強度鋼繊維補強モルタルを吹き付ける。オペレーターの熟練度によらず、連続した格子枠を構築できる。法面からバックホーまでの距離は約3~8m(写真:大林組)
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 ラクデショットでは、専用に開発した自動スライドノズルを取り付けた3Dマシンコントロール(MC)対応のバックホーを使う。GNSS(衛星を用いた測位システムの総称)の位置情報を基に、施工箇所の3次元設計データと現況の地形データの差分から、アタッチメントの位置や角度を自動制御できる。法面から3~8m程度離れた場所からモルタルを吹き付ける。

 自動スライドノズルは、法面とノズル先端との距離を1mに保った状態で、法面と平行に動かせる。一定の幅や長さ、厚さの枠を容易に構築できる。

自動スライドノズル。法面とノズル先端の距離は1mに保つ。法面と平行に自動スライドノズルを動かせるので、一様な幅や長さ、厚さの吹き付け枠を容易に構築できる(写真:大林組)
自動スライドノズル。法面とノズル先端の距離は1mに保つ。法面と平行に自動スライドノズルを動かせるので、一様な幅や長さ、厚さの吹き付け枠を容易に構築できる(写真:大林組)
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 適用対象となるのは、高さ5~7m程度の切り土法面だ。それより高い所を施工する際は、小段を設けて上部の地山をさらに5~7m掘削した後、吹き付け枠を施工するという工程を繰り返す。

 吹き付けるモルタルは、大林組が2010年に開発した常温硬化型超高強度繊維補強コンクリート「スリムクリート」を改良した。ホースで圧送しやすいように粘性を下げ、必要な曲げ強度と吹き付け性能を発揮する鋼繊維を配合した。

 施工時は急硬剤を添加しながら吹き付けるため、法面でモルタルが自立して硬化する。構築された枠は従来工法と比較して強度にも優れていることを確認済みだ。