東京大学発スタートアップのARAV(アラブ、東京・文京)は富士建(佐賀市)、ビスペル合同会社(静岡県富士市)と共同で、1000km離れた場所からでも油圧ショベルの操作を可能にする装置「建機Webコントローラー」を開発した。建機に後付けで搭載できる。メーカーや機種を問わない。建機オペレーターのテレワークが現実味を帯びてきた。
建機の操縦席に、レバーを遠隔から動かす機構となるアクチュエーターや、映像を処理するエッジコンピューター、通信用のSIM、現場の様子を撮影する4Kカメラなどを取り付ければ準備完了だ。その他必要に応じて、現場を俯瞰(ふかん)的に撮る定点カメラを用意する。
撮影した映像は電波環境に応じて、エッジコンピューターでVGAやHDの画質などに解像度を落として送信するため、4G/LTEの携帯電話の電波を利用できる。
ARAVの白久レイエス樹代表は「インターネットを経由して遠隔から操作できる点が特徴の1つ」と説明する。これまでの遠隔操作ではインターネットを介さずに現場と操作室との間を無線で送受信するケースが多く、両者の距離を延ばせなかった。
実証実験では、富士市に置いた14分の1スケールの建機を、佐賀市からリアルタイムで操作することに成功。操作の遅延は0.1秒を切る程度だという。実機での遠隔操作も実証済みだ。