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 西松建設と長崎大学海洋未来イノベーション機構は共同で、水路トンネルの中を自律飛行し、点検する飛行船型の調査ロボット「トンネルマンボウ」を開発した。壁面全周を撮影する360度カメラで、幅1cm程度の損傷を判別する。水力発電所の水路トンネルで実証実験を行い、有効性を確認した。

「トンネルマンボウ」の全景。塩化ビニールシート製のバルーンの内部にヘリウムガスを注入して浮揚させる。前端に360度カメラとLED照明から成るカメラユニットを固定する(写真:西松建設)
「トンネルマンボウ」の全景。塩化ビニールシート製のバルーンの内部にヘリウムガスを注入して浮揚させる。前端に360度カメラとLED照明から成るカメラユニットを固定する(写真:西松建設)
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水力発電所の水路トンネルで行った実験の様子。安定した自律飛行で壁面を撮影することに成功した(写真:西松建設)
水力発電所の水路トンネルで行った実験の様子。安定した自律飛行で壁面を撮影することに成功した(写真:西松建設)
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 トンネルマンボウは、塩化ビニールシート製のバルーンに、バッテリーや電波受信部、スラスターなど動作を制御する機器類を搭載したユニットやカメラユニットを取り付け、バルーンの内部にヘリウムガスを注入して浮揚させる。飛行用の回転翼は下部に5つ付いている。

 360度カメラ1台は、54WのLED照明と共にバルーンの前端に固定する。電動式で、バルーンのサイズは全長3.7m、直径1.2m。

 現場での操作は、カメラでの録画を開始して発進させるだけだ。事前に飛行ルートを教示する必要もない。センサーが壁面との距離を測定し、機体の位置を自動制御する仕組みになっている。

 全長約2.6kmの水路トンネルで断水時に行った実験では、安定かつ安全に自律飛行して撮影することに成功した。同じ試験を2回連続し、機能の再現性も確認した。点検終了時のバッテリー消費量から、最長6kmの飛行が可能であると推定される。

 取得した画像の精度を調べる試験では、1~15mmの範囲で太さを変えた線(線と線の間隔も同様)をバーコード状に記入したチェックシートをトンネル壁面に貼り付けた。撮影した画像からは、飛行方向(トンネル軸方向)と、トンネル軸方向と直角方向とで、いずれも1cmの太さを判別できた。

トンネル壁面に貼ったチェックシート。1~15mmの範囲で線の太さと間隔を変えている。試験では10mmが判別できた(写真:西松建設)
トンネル壁面に貼ったチェックシート。1~15mmの範囲で線の太さと間隔を変えている。試験では10mmが判別できた(写真:西松建設)
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