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 アース・アナライザー(京都府綾部市)など3者は、測位衛星からの電波信号が届かなくても正確な位置情報を取得しながら自動航行する「シームレスドローン」を開発した。疑似的なGNSS(衛星測位システム)信号を発するセンサーを使って、ドローンに位置情報を与え続ける。橋の下やトンネル内の点検などインフラ分野での活用を見込む。

開発したシームレスドローン。2018年設立のアース・アナライザーは、これまでにRTK-GNSS装置を搭載して高精度の自動航行が可能なドローンの開発に成功している(写真:アース・アナライザー)
開発したシームレスドローン。2018年設立のアース・アナライザーは、これまでにRTK-GNSS装置を搭載して高精度の自動航行が可能なドローンの開発に成功している(写真:アース・アナライザー)
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 シームレスドローンの仕組みはこうだ。まず、現場周辺に専用のセンサーを設置する。センサーは飛行中のドローンを検知し、その位置を現場内の局所座標系で計測。取得したデータをパソコン経由でGNSS信号と同じ全体座標系に変換したうえで、ドローンに送る。センサーからの位置情報の発信は、NMEAというGNSS信号と同様の形式を用いる。

 ドローン上空に障害物がない場所では、GNSS信号を直接受信する。ドローンは、屋内外にかかわらず常に同じ信号形式の位置情報を取得できるわけだ。橋の下に移動しても挙動が変わらないので、事前に定めたルートに沿って自動で航行できる。通常、GNSS信号を失ったドローンは自機の位置を正確に把握できず、ルートから外れてしまう。その場合はマニュアル操作に切り替えなければならなかった。

2020年7月に建物の内外を連続して飛行する実証実験を報道陣に公開した(写真:アース・アナライザー)
2020年7月に建物の内外を連続して飛行する実証実験を報道陣に公開した(写真:アース・アナライザー)
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 センサーには、工場内で運行する荷物搬送ロボットなどを制御するための既製品を改良した。一般利用が許可される無線通信の周波数帯に制約があるので、ドローンを制御できる範囲はセンサー1個につき約20m。橋の欄干の地覆から吊り下げるなど、ドローンと通信できる位置に固定する。

 ドローンの大きさは縦横80cm、高さ30cmで、重量は3kg。飛行中の風の揺れを抑える寸法とした。万が一の衝突に備えて、機体にはプロペラガードを取り付けている。プラントの内部など、より狭い空間を飛ばす場合は小型化も可能だという。