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建設技術研究所はVR(仮想現実)の制作を得意とするエドガ(東京・江戸川)の協力を得て、橋梁の点検を疑似体験する社内研修用のVRコンテンツを開発した。国土交通省が管理する鋼製の鈑桁(ばんげた)橋を対象に、360度カメラで撮影した画像を見ながら損傷の箇所や度合いを確認できる。
VRのヘッドセットには、米Oculus(オキュラス)の「Oculus Quest(オキュラスクエスト)2」を使う。起動すると、現地の橋面の画像が映り、Googleマップのストリートビューのように少しずつ移動しながら点検を疑似体験する仕組みだ。橋上4カ所、橋台横2カ所、桁下24カ所へ移動できる。移動した先で首を振れば、360度のカメラで撮影した画像を見ることができる。
VRコンテンツでは、10カ所の著しい損傷を見つけられる仕組みになっている。損傷がある箇所の近くに来れば、画面に「損傷2カ所を探してください」という文字が表示される。損傷箇所を見つけてクリックすると、そこの拡大写真と選択クイズが出る。
クイズでは国土交通省の橋梁定期点検要領に基づいて、a、b、c、d、eの最大5段階で損傷程度を答えてもらう。10問が終わると、最後には成績が出てくる。成績に応じて「基礎技術の習得に向けて頑張ってください」といったコメントが表示される。