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 鹿島は台形CSGダムの堤体を覆う保護コンクリートの施工を合理化する「置き型枠自動スライドシステム」を開発。同社がJVのスポンサーとして秋田県東成瀬村で施工する成瀬ダムの堤体打設工事で実用化した。

置き型枠自動スライドシステムを導入して台形CSGダムの堤体保護コンクリートを施工する様子。成瀬ダムでは、2020年12月末時点で保護コンクリートを約1万6000m3打設している(写真:鹿島)
置き型枠自動スライドシステムを導入して台形CSGダムの堤体保護コンクリートを施工する様子。成瀬ダムでは、2020年12月末時点で保護コンクリートを約1万6000m3打設している(写真:鹿島)
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 成瀬ダムの堤体工事では、高さ75cmを1段とするCSG堤体の構築を繰り返す。主作業であるこのCSGの打設では、複数の重機を自動運転して高速化する取り組みが進められている。今回開発したシステムの導入によって、従作業であるCSG堤体の外側への保護コンクリートの打設も高速化し、主作業の高速施工サイクルを妨げないようにした。

 堤体の表面形状を一般的な斜面状から階段状に改めたことで、保護コンクリートの高速施工を実現した。階段状に設計した保護コンクリートを、「置き型枠自動スライドリフタ」「止水板台車」「おもり台車」の3つの台車で施工する。

 いずれの台車も保護コンクリートの施工時に置き型枠とするH形鋼をレール代わりにして走行するので、型枠の横移動時にクレーン作業が要らなくなる。

 置き型枠自動スライドリフタは、H形鋼を2段重ねた高さ80cm、長さ5mの置き型枠を、保護コンクリートを施工済みの下段から3段上の未施工の段へと引き上げる台車だ。

置き型枠自動スライドリフタの構造。保護コンクリートを施工済みの下段の置き型枠を引き上げて未施工の段に設置。その後、台車を横移動させる(資料:鹿島)
置き型枠自動スライドリフタの構造。保護コンクリートを施工済みの下段の置き型枠を引き上げて未施工の段に設置。その後、台車を横移動させる(資料:鹿島)
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 置き型枠を外す下段と保護コンクリート打設前の上段との間にある脱型前の置き型枠をレールにして台車を動かす。置き型枠の引き上げ、設置、設置後の台車の横移動という一連の作業の自動化も図った。作業指示はタブレット型端末から出す。