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 国土交通省近畿地方整備局は、人が立ち入れず電波の届かない山奥でドローンを自律飛行させて、崩壊した斜面などの自動点検に成功した。無人地帯におけるドローンの目視外自律飛行「レベル3」を防災目的で実施したのは、全国初だ。

ドローンを自律飛行させて危険箇所を自動点検する手法のイメージ。あらかじめ設定したルートを飛行して画像を取得するドローンの他に、無線中継用のドローンを使用した(資料:国土交通省近畿地方整備局大規模土砂災害対策技術センター)
ドローンを自律飛行させて危険箇所を自動点検する手法のイメージ。あらかじめ設定したルートを飛行して画像を取得するドローンの他に、無線中継用のドローンを使用した(資料:国土交通省近畿地方整備局大規模土砂災害対策技術センター)
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 近畿地整の大規模土砂災害対策技術センターと紀伊山系砂防事務所は2021年3月、奈良県十津川村で実証実験を実施。11年の紀伊半島大水害で大規模な斜面崩壊を起こした栗平地区を中心に、約6kmのルートを15分間自律飛行し、鮮明な画像を取得した。

2021年3月に実施した実証実験の様子。無線中継用ドローン(上側)と調査用ドローン(下側)の2機を併用した(写真:国土交通省近畿地方整備局大規模土砂災害対策技術センター)
2021年3月に実施した実証実験の様子。無線中継用ドローン(上側)と調査用ドローン(下側)の2機を併用した(写真:国土交通省近畿地方整備局大規模土砂災害対策技術センター)
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 使用したドローンは、画像を撮影する調査用と、無線中継用の2機だ。栗平地区は携帯電話の圏外で、調査用ドローン1機だけでは制御できない。そこで無線中継用ドローンを併用して、調査用ドローンの安定した通信を可能にした。

 無線中継用ドローンは、調査用ドローンの映像や、機体の位置・姿勢など制御情報を中継する。取得した画像は、無線中継用ドローンを介し、地上に設置したパソコンやモニターなどへ即時に表示する。