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 第5世代移動通信システム(5G)の大容量通信を活用し、現場以外の遠隔地から建設機械を操作しようとする取り組みが進んでいる。建設機械のレンタル事業などを手掛けるカナモトとソフトバンクが、バックホーの遠隔操縦の実証実験に成功した。

 実証実験では12t級のバックホーに、カナモトが開発した遠隔制御装置「KanaRobo(カナロボ)」とカメラ4台を搭載。加えて現場には、全体を俯瞰(ふかん)するカメラを3台設置した。

建設機械を遠隔操縦する実証実験の様子(資料:ソフトバンク、カナモト)
建設機械を遠隔操縦する実証実験の様子(資料:ソフトバンク、カナモト)
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 オペレーターは千葉市美浜区にある操作室で高解像度の映像を見たり、現場作業員と音声でやり取りしたりしながら、千葉県野田市の作業現場にあるバックホーを操縦。操作室と現場は約50km離れている。走行や掘削、積み込みの作業を実施した。20t級のバックホーでも同様に、問題なく作業できることを確認した。

操作室でオペレーターがバックホーを遠隔操縦する様子(写真:ソフトバンク、カナモト)
操作室でオペレーターがバックホーを遠隔操縦する様子(写真:ソフトバンク、カナモト)
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 通信の遅れを最小限にするため、5Gの「スライシング」と呼ばれる機能を活用した。伝送帯域を仮想で分割し、ある部分をバックホーの遠隔操縦に必要な20Mbps程度の通信速度を確保できるように優先設定した。

 さらにソフトバンクの「SmartVPN」で構築した閉域網を採用。インターネットなどにつながず、バックホーと操作室を直接通信できるようにした。こうした通信環境によって、操作信号の揺らぎを軽減。映像の遅延は一般的なWeb会議より短い0.2秒程度に抑えるなどして、オペレーターが遠隔地から違和感なく操縦できることを確認した。

5Gを活用した建設機械の遠隔操縦のイメージ(資料:ソフトバンク、カナモト)
5Gを活用した建設機械の遠隔操縦のイメージ(資料:ソフトバンク、カナモト)
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