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■講師と受講生はアバターとして現場に立ち入る
■講師と受講生はアバターとして現場に立ち入る
VR(仮想現実)のボックスカルバート工事現場に集まった研修の講師と受講生の各アバター(資料:ハタコンサルタント/Synamon)
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 建設会社向けの研修などを手掛けるハタコンサルタント(名古屋市)は、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)関連のソフトウエア開発などを行うSynamon(シナモン、東京・品川)と共同で、ボックスカルバートの工事現場を対象とする安全パトロール研修のVR用教材を開発した。2021年7月28日から施工管理技術者向けの研修で使っている。

VR現場研修の会場となった東京都内の会議室の様子。受講生も講師(写真右奥)もヘッドマウントディスプレーを装着している(写真:日経クロステック)
VR現場研修の会場となった東京都内の会議室の様子。受講生も講師(写真右奥)もヘッドマウントディスプレーを装着している(写真:日経クロステック)
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 研修の講師と受講者はヘッドマウントディスプレー(HMD)を装着し、それぞれの分身であるアバターとして、バーチャル空間に入る。

 コンクリート打設前のボックスカルバート工事を仮想した現場には、作業足場の不具合や、作業員の服装、立ち位置などのミスを仕込んでいる。アバターとして歩き回りながらそれらのミスを探し出すことで、現場の安全管理のポイントを学べる。コンベックスで寸法を測る機能もあり、会議室などにいながらにして、実際の工事現場に近い臨場感が得られる。

■VRの現場でコンベックスも使える
■VRの現場でコンベックスも使える
足場の段差が大き過ぎることを説明する研修の講師のアバター(資料:ハタコンサルタント/Synamon)

■足場の細かいミスもVRで再現
■足場の細かいミスもVRで再現
足場の踏み板にフックの外れている箇所があった。細かいミスもチェックできるよう精密な画像となっている(資料:ハタコンサルタント/Synamon)
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 受講者の1人で主に道路工事を担当している31歳の建設会社社員は、「特に足場の安全管理についてよい復習になった」と話す。建設業でのVRの利用について、「研修だけでなく実際の工事でも効果的ではないか。足場を現場で実際に組む前にVRで設置し、問題点がないか検証してみたい」との考えも述べた。

 今回、工事の対象となる構造物としてボックスカルバートを選んだのはハタコンサルタントだ。シンプルな構造のため、建築工事を担当する技術者向けの研修にも使えると見込む。

 今後の展望について、同社の降籏達生社長は「配筋やかぶり厚が適正かどうかなど、品質監査の研修もVRでできるようにしたい」との考えだ。