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 NTTコムウェアは、現実世界を仮想空間で再現する「デジタルツイン空間」で社会インフラを管理・運営するサービス「Smart Data Fusion(スマートデータフュージョン)」の提供を開始した。多様なデータを統合して、エネルギーをはじめ、通信、土木など社会インフラ事業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進を図る。既に、風力発電施設でメンテナンス作業の効率化に使われている。

「Smart Data Fusion」を使ったデジタルツイン空間による発電用風車の設備管理イメージ。ドローンで取得したデータなどから3Dモデルを生成し、視覚的に遠隔管理できる(資料:NTTコムウェア)
「Smart Data Fusion」を使ったデジタルツイン空間による発電用風車の設備管理イメージ。ドローンで取得したデータなどから3Dモデルを生成し、視覚的に遠隔管理できる(資料:NTTコムウェア)
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 NTTコムウェアのビジネスインキュベーション本部プロダクト創出部門の田中利享部門長は次のように話す。「データの統合管理は製造業などの工場で進んでいる。一方で、建築・土木や通信、エネルギーなどの分野では、施設ごとのデータが統合されていない。それらを統合できるサービスがスマートデータフュージョンだ」

 同サービスでは、3Dモデル化したインフラ施設に、図面や写真などの属性情報を関連付けられる。様々なデータの蓄積・統合の他、AI(人工知能)による診断などのアプリケーションを標準で使える。

Smart Data Fusionに標準搭載しているアプリケーションのイメージ(図の緑色の領域)。画像やセンサーなどによる多様なデータを収集・統合し、可視化させたり、AIやML(機械学習)で分析したりできる(資料:NTTコムウェア)
Smart Data Fusionに標準搭載しているアプリケーションのイメージ(図の緑色の領域)。画像やセンサーなどによる多様なデータを収集・統合し、可視化させたり、AIやML(機械学習)で分析したりできる(資料:NTTコムウェア)
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 例えば、発電用の風車や橋梁、鉄塔といった施設の点検にはドローンやロボットを使うことが多い。そこで得た情報は通常、メンテナンスの担当者が図面などと関連付けて管理していた。標準搭載しているアプリケーションでは、撮影した写真などを簡単に3Dモデルにひも付けられる。加えて、施設の部材ごとに、階層的なツリー構造で表示できる点も特徴の1つだ。

 インフラの点検ノウハウをAIに学習させていくことで、業務の自動化や平準化も可能だ。「ユーザーがAIを自分の後継者として育てることができる」と、同社ビジネスインキュベーション本部プロダクト創出部門の湯本亮伯スペシャリストは話す。

デジタルツイン空間上でAIの点検結果を可視化している様子(資料:NTTコムウェア)
デジタルツイン空間上でAIの点検結果を可視化している様子(資料:NTTコムウェア)
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 まずは図面や台帳などの「静的データ」を、3Dモデルに統合することから始めている。今後は、施設に取り付けているセンサーなどから得られる「動的データ」の活用も視野に入れる。ユーザーの要望を聞きながら、より詳細な分析や予兆保全などの機能を拡充していく。

 例えば、センサーやカメラからリアルタイムに送られる画像や振動データなどを、既存の運転データや保守記録データとひも付けて、自動的に異常を検出し性能を判断する機能だ。他にも、それらをAIで診断・検出した結果を時系列データとして蓄積し、設備の延命化や投資に関わる検証、意思決定に活用することも考えられる。

機能拡充のイメージ(資料:NTTコムウェア)
機能拡充のイメージ(資料:NTTコムウェア)
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