米Skydio(スカイディオ)は、橋脚や鉄塔といったインフラ施設のドローン点検で、飛行プランの作成から操縦・撮影までを自動化するソフトウエア「Skydio 3D Scan」を開発した。撮影データを基に3次元モデルをつくり、効率的な点検につなげる。NTTドコモが技術検証などを通じて開発に協力した。
オペレーターが操縦する場合に比べて、3次元モデル化に必要な写真枚数を約4分の1に削減。撮影時間をおよそ半分に抑えられる。
開発したソフトでは、スカイディオが開発したドローン「Skydio2」を用いる。Visual-SLAMという技術を搭載し、GNSS(衛星測位システムの総称)の電波が届かない橋桁の下でも自己位置を推定できる。同技術によって、障害物を自律的に避ける機能も持つ。
オペレーターはまず、手動で点検対象を見渡せる位置までドローンを飛ばして待機させる。次に、コントローラーと一体化したタブレット端末の画面上で専用のアプリを操作。ドローンのカメラ映像を見ながら、飛行する高さの上限と下限を指定する。橋の桁下を点検している際、路面上に飛び出てしまうトラブルなどを防ぐためだ。
その上で、点検対象の周囲を飛ばして、撮影する範囲の四隅を指定する。以降は全て自動だ。指定した4点を結ぶ線から鉛直方向に押し出した面と上限、下限の面に囲まれた直方体の内側にある施設をドローンが認識。概形を計測してから、飛行プランを即座に立案する。そのプランに沿って、自動操縦で撮影を始める。
例えば照明柱を点検する場合、初めに柱の周囲を水平方向に回りながら全体を撮影。続けて高さを方向も同様に撮影する。飛行プランに応じて、カメラの角度を上下に180度回転させる。
NTTドコモは、橋脚や鉄塔などの撮影でもSkydio 3D Scanを使えると実証済みだ。自動車事故の現場を記録するといった使い方もできる。