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センシンロボティクス(東京・渋谷)とフジタは共同で、GNSS(全球測位衛星システム)が受信できず、かつ暗いトンネル内でドローンを自律飛行させ、工事の進捗情報を収集する「トンネル坑内自動巡視ドローンシステム」を開発した。施工中のトンネルで検証し、有効性を確認した。
開発したシステムでは、市販のドローンにLiDAR(レーザーレーダー)センサーとデータ処理を行うコンピューター、360度カメラなどを搭載。レーザー光の照射と反射時間から物体の距離や方向を計測するLiDARにより、ドローンの位置やトンネル空間を認識し、坑口から切り羽まで飛行する。事前のルート設定やオペレーターは不要だ。
ドローンが取得する画像は静止画で、50cmごとに1枚撮影する。その膨大な画像を、米国のOpenSpace(オープンスペース)が提供する現場モニタリングシステム「OpenSpace」で処理。米Google(グーグル)のストリートビューのようなVR(仮想現実)映像として閲覧できるようにする。処理に掛かる時間は約10分だ。
VR映像は、BIM/CIM内のCADデータとの比較や、時系列での比較が可能だ。コメントやファイルなどの添付も可能で、情報はクラウドにアップして関係者間で共有できる。