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 鹿島は2車線道路のうち片側1車線のみの規制で、道路橋の床版を幅員方向に分割して取り換える技術「幅員方向分割SDR(スマート床版更新、Smart Deck Renewal)システム」を開発した。1日7時間の作業で更新が可能な床版の長さは、従来の1車線規制の標準的な工法であれば6mなのに対して、開発した新技術は60mと10倍に増える。

幅員方向分割SDRシステムを使って、床版を架設している様子。動画は3倍速(動画:中川 美帆)
鹿島のグループ会社、大興物産の横浜機材センター(神奈川県大和市)で床版取り換えの施工性確認実験を2022年6月7日に公開した(写真:中川 美帆)
鹿島のグループ会社、大興物産の横浜機材センター(神奈川県大和市)で床版取り換えの施工性確認実験を2022年6月7日に公開した(写真:中川 美帆)
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 新技術は、鹿島が2019年に開発した「SDRシステム」の改良版だ。SDRシステムは、(1)既設床版の撤去(2)主桁のケレン(3)高さ調整(4)新設床版の搬入・架設――という4つの作業を同時に行う。工程を減らして、施工を高速化させる。

 工事現場の近くのプレキャスト工場で床版を製作するという条件の下、床版の製作費や運搬費が減るため、SDRシステムによる床版更新の全体工事費は、標準工法に比べて2割ほど減る。

 ただし、2車線道路なら2車線とも規制して全断面の床版を取り換えるのが基本だった。