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 鹿島は、打設後のコンクリートの表層品質を人工知能(AI)が採点するアプリを開発した。タブレット端末で対象を撮影すると、AIによる評価やその理由が表示される。採点結果などを基に打設計画を見直し、コンクリート構造物の品質を高める。

打設したコンクリートの表面を撮影する様子。開発したアプリはタブレット端末上で動作する(写真:鹿島)
打設したコンクリートの表面を撮影する様子。開発したアプリはタブレット端末上で動作する(写真:鹿島)
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 開発したアプリは、コンクリート表面の打ち重ね線、色つや、気泡、沈みひび割れ、ノロ漏れ、砂すじ、の6項目について、それぞれ1~4点の間で点数を付けて評価する。点数が高いほど品質が良いことを示す。

 この評価手法は、鹿島が横浜国立大学の細田暁教授と共同で2013年に開発したものだ。コンクリート構造物は表層品質が良いほど耐久性が高くなる点に着目し、それまで定性的な指標だった表層品質を数値化した。鹿島はコンクリート打設後の社内検査で点数を付けて打設時の状況との相関などを分析し、その後の打設計画の改善や工夫に生かしてきた。

 ただし、従来は技術者がコンクリートの表面を目視して採点していたため、人によって点数の付け方にばらつきがあった。同じコンクリート表面であっても、評価が異なれば改善に向けた対応も変わる。

 鹿島技術研究所土木材料グループ長の渡邉賢三上席研究員は、「現場ごとに条件が違うので、対応が異なるのが必ずしも悪いわけではない」としつつ、「会社として標準的な対応をするには、評価を統一する必要があった」と話す。

鹿島がコンクリート構造物で表層品質の向上を目的に回すPDCAサイクル(出所:鹿島)
鹿島がコンクリート構造物で表層品質の向上を目的に回すPDCAサイクル(出所:鹿島)
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