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 ドローンによるインフラ点検や測量サービスなどを展開するテラドローン(東京・渋谷)は、販売価格が1000万円台からの高精度レーザードローン「Terra Lidar X(テラ・ライダー・エックス)」を開発した。同等の製品の相場価格よりも25%ほど安価だという。高品質の3次元測量や、BIM/CIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング/コンストラクション・インフォメーション・モデリング)設計、出来形管理などで活用を見込む。

開発した「Terra Lidar X」。搭載するレーザースキャナーとIMUの組み合わせによって4機種を用意する (出所:テラドローン)
開発した「Terra Lidar X」。搭載するレーザースキャナーとIMUの組み合わせによって4機種を用意する (出所:テラドローン)
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 ベースの機体には、中国・DJI製の汎用ドローン「Matrice300RTK」または石川エナジーリサーチ(群馬県太田市)が開発した国産の「ビルド・フライヤー」を選ぶ。そこにオーストリア・RIEGL製のレーザースキャナーとカナダ・Applanix製のIMU(慣性計測装置)を搭載する。レーザースキャナーとIMUの組み合わせによって4機種を用意し、価格は1647万8000円~2747万8000円(税込み)だ。価格が高い機種ほど、一回のフライトで広い面積を計測できるなどの利点がある。

 4機種の計測精度はいずれも誤差5cm以内に収まる。公共測量よりも高精度な計測を求められる出来形管理にも利用できる。例えば2022年3月に改定された国土交通省の「3次元計測技術を用いた出来形管理要領」では、レーザードローンを使った土工事の出来形計測について、計測精度が誤差5cm以内となる機材を用いるよう定めている。

 テラドローンによると、レーザードローンによる公共測量では精度が誤差10cmほどの機材を用いるのが一般的だ。そうした機材は近年、低廉化が進み1000万円~1500万円ほどで購入できるようになった。

 一方、より高品質な3次元データを取得してBIM/CIM設計に活用したり、測量の精度を高めて成果品を差別化したりといった需要に対しては、2000万円を超える高価格帯の製品しかなかった。「高価格帯のレーザードローンは、低価格帯の製品に比べてコストダウンが進んでいなかった」と、テラドローン測量事業部で開発を担当する長谷川卓行氏は話す。