ニュース i-Construction
目次
-
遠隔地から橋梁下部工の洗掘モニタリング、洪水時の通行可否を判断
福山コンサルタントは、河川内にある橋梁の下部工基礎の洗掘(せんくつ)状況を遠隔地から監視するモニタリングシステムを開発した。携帯電話の通信回線によるインターネットを用い、現地に行かずにデータの計測や健全度の確認が行える。
-
業界初、コンクリートの剥離・漏水まで画像から自動検出
富士フイルムはコンクリート構造物の画像から、剥離・鉄筋露出や漏水・遊離石灰をAI(人工知能)で自動検出する技術を初めて開発した。2018年からサービスを始めているひび割れ自動検出の「ひびみっけ」に、新たな機能として搭載。20年7月22日から、サービスの提供を開始した。
-
夜に1車線のみ規制して床版取り換え、昼は規制なし
大林組と中日本高速道路会社は、橋梁のリニューアル工事で、夜間に施工箇所の1車線だけを規制して床版を取り換える「DAYFREE(デイフリー)」を共同開発した。旧床版を撤去した後、仮設床版を設置して、昼間は一旦、交通規制を解除する。そして夜間に床版を設置する。
-
トンネルの壁面を“飛ぶマンボウ”が点検
西松建設と長崎大学海洋未来イノベーション機構は共同で、水路トンネルの中を自律飛行し、点検する飛行船型の調査ロボット「トンネルマンボウ」を開発した。壁面全周を撮影する360度カメラで、幅1cm程度の損傷を判別する。水力発電所の水路トンネルで実証実験を行い、有効性を確認した。
-
1000km先から建機の遠隔操作、現場のテレワークが現実に
東京大学発スタートアップのARAV(アラブ、東京・文京)は富士建(佐賀市)、ビスペル合同会社(静岡県富士市)と共同で、1000km離れた場所からでも油圧ショベルの操作を可能にする装置「建機Webコントローラー」を開発した。建機に後付けで搭載できる。メーカーや機種を問わない。
-
360度カメラで山岳トンネル丸裸、切り羽後方作業を画像で遠隔管理
安藤ハザマとエム・ソフト(東京・台東)は、360度撮影可能なカメラを搭載した車両を走行させて、山岳トンネル内の施工状況を遠隔地から確認する「トンネルリモートビュー」を共同で開発した。
-
測量から人材育成まで手掛けるドローン“総合商社”、ミライトが設立
ミライト・テクノロジーズ(大阪市)は、ドローンを使った測量や施設点検、操縦士の育成などを事業の柱とする100%子会社「ミラテクドローン」(東京都品川区)を2020年7月1日に設立する。ドローンの自動航行システムを持つNTTデータや、コンクリートのひび割れを自動で検知する人工知能(AI)を保有する富…
-
楽になる法枠吹き付け、ICT建機と高強度モルタルで施工人員を半減
大林組と日特建設は法面に設置する格子枠の吹き付けで、ICT(情報通信技術)建機と高強度繊維補強モルタルを使って施工人員を半減する「ラクデショット」を共同開発した。配筋と型枠の作業が不要になり、転落や墜落のリスクが減る。
-
コンクリートの打設状況が不安な箇所に貼る、0.6mm厚のセンサー
戸田建設とムネカタインダストリアルマシナリー(福島市)は、コンクリートの打設状況を可視化する超薄型シート状センサー「ジュウテンミエルカ」の機能を拡充した。センサーの小型化に成功して、コンクリート構造物全般への適用が可能になった他、クラウドによってデータを連携できるようになった。
-
ダムのかさ上げに欠かせないはつり、機械化で速度が3倍以上に
西松建設、れんたま(東京都町田市)、タグチ工業(福岡市)はダムのかさ上げ工事で、コンクリートの増し打ち前に、堤体の斜面を機械ではつるシステムを共同開発した。危険な場所に人が立ち入る必要が無く、手作業と比較して生産性が3倍以上高くなる。
-
トンネル天井部での「スゴ業」、機械化で目粗しが3倍速に
奥村組はトンネル天井部の曲面に沿って、コンクリートの目粗しや塗膜の除去を機械化する「曲面天井用研掃(けんそう)システム」を開発した。曲面状のトンネルの補修や補強では従来、表面の付着力を確保するため、人力で目粗しなどの作業を実施していた。同システムを使えば、3倍以上の速さで施工できる。
-
4足歩行のロボットが土木工事で活躍、将来の夢は「現場監督」
鹿島は4足歩行型のロボット「Spot(スポット)」をトンネルの工事現場へ導入して、坑内の監視や点検の役割を担えると確認した。同社によると、土木現場への適用は世界初の試みだ。自律歩行(自動運転)するため、現場監督に代わって巡回などの業務を行える可能性もある。
-
新幹線走行も気にしない、高架橋下の点検で最適なドローンは?
JR西日本は山陽新幹線の走行中にラーメン高架橋の下で初めてドローンを飛ばし、橋の点検に適した機体の飛行安定性などを検証した。電波を受信しづらく、かつ強い電流が流れているなど、飛行に影響を及ぼしやすい要因が多いラーメン高架橋では、撮影した画像から周囲の3次元形状を把握して自身の居場所を把握する「Vi…
-
構造物の出来形計測をドローンで、法面工事で3割時短
ライト工業は、ドローンによる空中写真測量を法枠工の出来形管理に適用する手法を開発した。法面に正対するようにカメラを傾けて搭載したドローンを使う。計測時間を3割以上削減できる。
-
雨降って自己治癒する無収縮グラウト
CORE技術研究所(大阪市)は東京大学発のベンチャーであるSERIC JAPAN(東京・千代田)と共同で、自己治癒機能を持つ無収縮グラウト材「パワーグラウト」を開発した。収縮によるひび割れが生じにくく、生じたとしても雨水などで水分が供給されれば、自然にふさがる。
-
ドローンのカメラを傾けるだけで測量精度が劇的向上、標定点が不要に
フジタと山口大学は共同で、ドローンにカメラを少しだけ傾けて搭載することで空中写真測量の精度を向上させる「斜め往復撮影ドローン」を開発した。造成工事における測量に適用したところ、地上の「標定点」という目印で測量結果を補正しなくても、高さ方向の誤差を2cm程度に抑えられた。標定点の設置・計測にかかる時…
-
充填材でくっつく床版、鉄筋も間詰めコンも不要
日鉄エンジニアリングと極東興和(広島市)は、高速道路橋など更新で使うプレキャスト床版を専用の充填(てん)材だけで現地接合する「エルスジョイント」を共同開発した。床版の継ぎ目部に鉄筋を使わないため、「ループ継ぎ手」などの従来工法と比較して、労働生産性が約14%向上。交通規制の期間は10%程度の短縮が…
-
ぶつけても大丈夫、鉄道トンネルの点検に本格参入するドローン
東京メトロは東京大学大学院などと共同で、GNSS(衛星を用いた測位システムの総称)の電波が届かないトンネル内の高所を安全に点検する、球形のフレームで包んだドローンを開発した。通風口やトンネル建設時のたて坑の点検などに活用する。機体はベイシスコンサルティング(東京・文京)と開発し、運用方法などは東大…
-
非専門家でも扱える3次元地盤モデル、年間8万円のサブスクで
応用地質は、建設・維持管理の需要が高い都市の3次元地盤モデルを構築・管理するソフトウエア「OCTAS Modeler」を開発した。平野部の地盤や成層の簡易な地質構造を対象としており、地質にそれほど詳しくない技術者でも簡単な手順で作製しやすい。
-
新型肺炎の感染防止にも役立つ「塗布するセンサー」、豪企業へ出資
洗面台や机に塗った新素材「グラフェン」がセンサーとして働き、人が頻繁に触れて二次感染の恐れがある箇所をリアルタイムで明示する――。世界を震撼(しんかん)させている新型コロナウイルスの感染防止にも役立つ夢の新技術が、実現に向けて動き出した。