ニュース i-Construction
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小水力発電の需要に対応、小断面トンネルでの自動吹き付け機開発
熊谷組は、断面積10m2程度の小断面トンネルにコンクリートを自動で吹き付けるシステムを開発した。試作機では、小型バックホーに取り付けたロボットアームが、オペレーターの教示した動作を忠実に再現。粉じんが舞う狭いトンネル内で、作業員が切り羽に接近して吹き付ける必要がなくなり、作業環境の改善が図れる。
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住友商事がドローン成長企業に出資、現場での自律飛行の開発加速へ
住友商事とエアロセンス(東京・文京)は2020年2月10日、建設現場におけるドローンの3次元測量の推進に向けて、資本業務提携の契約締結を発表した。エアロセンスは、ドローンによる近接点検や、建築現場など非GPS(全地球測位システム)環境下での自律飛行を目指す技術開発を加速する。
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障害を自動で避ける橋の点検用ドローン、1m未満の隙間もすり抜け
ジャパン・インフラ・ウェイマーク(JIW、東京・中央)は、障害物を自動で回避するインフラ点検用ドローン「Skydio R2 for Japanese Inspection(J2)」を米スカイディオと共同で開発した。経験が浅い操縦者でも、橋桁と橋脚との間や対傾構の部材間など幅や高さが1mに満たない隙…
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シールドの全自動化第2弾はリスクの自動検知、警報でトラブルを回避
鹿島は、シールドトンネル工事のトラブルを未然に防ぐため、地盤変状などのリスクを自動で検知するシステムを開発した。シールド掘進中に得られる大量の施工データを統計処理し、リスクがある場合に警報で知らせる。
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山岳トンネルのコンクリート打設を自動化、従事者はたったの2人
清水建設と岐阜工業(岐阜県瑞穂市)は共同で、山岳トンネルの覆工コンクリートを自動で打ち込み、締め固めるシステムを開発した。打設作業をほぼ自動化することで、担当者を従来の6人から2人に減らせる。
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市販カメラでもドローンに搭載できる、高精度な距離計測をAIで実現
東芝は、市販の単眼カメラで撮影した1枚の画像から距離を計測して立体を正確に認識するAI(人工知能)を開発した。新技術を適用したカメラをインフラ点検に使うドローンに搭載することを見込んでいる。立体写真撮影で広く使われるステレオカメラ(複眼式撮像装置)よりも小型で安価なカメラを用いて、それに匹敵する高…
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硬すぎ生コンを即座に“出禁”、撮るだけでスランプ値を算出
鹿島は、アジテーター車から荷卸しする生コンクリートを動画で撮影して、施工性の良否を即座に自動判定するシステムを開発した。流下中の生コンクリートの表面勾配からスランプ値を算出。硬くて施工しにくい生コンクリートを見つけて排除できる。受け入れ状況を監視する技術者を配置する必要がない。
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シールド工事全自動化へあと半分、掘進計画指示書の自動作成に成功
鹿島はシールドトンネル工事の全自動化に向けて、シールド掘進とセグメント組み立ての計画指示や出来形管理などを3次元モデルで実現する「KaCIM’S(カシムズ)」を開発した。掘進や組み立ての計画立案に要していた時間を、従来と比べて半分に短縮できる。
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補修の穴をスマホで塗り絵、補修材の体積が分かるアプリ
東亜道路工業は、舗装の点検やポットホールの補修に使える2つのスマートフォン用のアプリを開発した。ポットホールに必要な補修材の量を写真から自動計算することや、点検結果を簡易に記録することができるようになる。
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だから開発に失敗する、AI開発会社を悩ます建設業界の甘い認識
建設業界で空前の盛り上がりを見せるAIの開発だが、決して順風満帆とは言えない。開発の途中でプロジェクトが頓挫したり、想定した結果が得られなかったりする事例が後を絶たない。AI初心者の会社が「現場で使えるAI」を開発するにはどうしたらいいのか。ロボットやAI開発を手がける知能技術(大阪市)の大津良司…
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土木で“あるある”AI開発の落とし穴、ロボット導入が不可欠な理由
土木構造物の点検や管理をAI(人工知能)で省力化する技術への期待は大きい。ただし、開発に着手したり、実証実験を実施したりといった段階の技術ばかりで、「現場で使える」AIの開発は一筋縄では行かない。完成までのプロセスで、つまずきやすいのがデータ収集だ。ベンチャー企業のイクシス(川崎市)は、データ収集…
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「誰でも点群を扱えるようになる」、無料ツールが堂々登場
大阪経済大学の中村健二教授らは、オンライン上に保存した道路の3次元点群データをダウンロードせずに素早く確認・操作できる無料のソフトウエア「3D PointStudio」を開発した。数十キロメートルにわたって記録された大量の点群データから、見たい区間を指定するだけで簡単に閲覧できる。データ量が多く扱…
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橋の点検から診断までAIにお任せ、はやりの深層学習は使わず
深層学習を使ううえでは、AIが答えを導いた過程や着目した点が分かりにくくなる「ブラックボックス化」が課題だ。特に、生活に密接する土木インフラを扱う建設業界ではあだになるリスクもある。例えば、インフラの損傷の状態や将来の劣化を判断する「診断AI」は、技術者が理解できない答えを出す恐れがある。それを基…
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「明日は墜落・転落しやすいでしょう」、天気予報から労働災害を予知
安藤ハザマとライフビジネスウェザー(東京・中央)は、墜落・転落など建設現場で起こりやすい労働災害を天気予報から推測し、注意を促す情報を配信する「気象危険予知システム」を共同で開発した。熱中症以外の労働災害と気象との関係性に着目して、その相関性から起こりやすい労働災害を予知する技術は珍しい。
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「手押し車」で50%省力化、床版撤去後の桁の1種ケレン
大林組は道路橋の床版撤去後に、鋼桁フランジ部でさびや塗膜を落とすケレンと清掃を同時に行う「フランジブラスター」を開発した。これまで手作業だった工程を機械化することで、フランジ上部のケレン作業を約50%省力化した。
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2年でこんなに増えた! 土木で激化するAI開発競争
建設分野でAI(人工知能)を使った技術開発が盛り上がり出したのは、2016年ごろ。大手の建設会社などが、仕事の生産性を向上して人手不足を解消できるツールとしてAIに目を付け始めた。日経コンストラクションはその動向を踏まえて、17年に「インフラ×AI」の業界地図を作成。あれから2年の間で、土木を巡る…
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高速道路での作業ヤードを“囲う”移動式車両、誤進入も怖くない
中日本ハイウェイ・メンテナンス名古屋と東邦車輌(横浜市)は、高速道路の工事規制内の作業ヤードを確保しつつ、一般車両の誤進入から作業員を防護する「大型移動式防護車両」を共同で開発した。
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道路の下から桁と床版を一刀両断、交通規制期間を65%に
大林組は、横河ブリッジ、コンクリートコーリング(大阪市)と共同で、道路橋の鋼桁とコンクリート床版の接合部を、ずれ止めも含めて一気に切断する工法「サブマリンスライサー」を開発した。床版とずれ止めを分割して順次撤去する従来工法よりも作業工程が少なくなり、交通規制の期間を65%程度に短縮する。
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地方発の3次元データ活用、橋脚の出来形管理で作業工数を8割減
加藤組(広島県三次市)とカナツ技建工業(松江市)は、測量機器大手のライカジオシステムズやCADメーカー大手の福井コンピュータなどとコンソーシアムを組み、3次元データを活用して橋梁下部工事の出来形管理の効率化を試行している。総作業工数(人数×時間)は、従来比で8割削減する見込みだ。
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来たれ! 4兆円超の下水道マーケット、国交省がマッチング
建設改良費と管理運営費を合わせた年間約4兆円規模の下水道市場に、業界外の新風を吹き込む――。国土交通省は2019年9月9日、下水道業界と異業種企業とを結ぶ初のマッチングイベントを実施した。スタートアップ企業をはじめ、会場内は100人強の参加者でにぎわった。